■師走
いや~このコラムも2年もやっちゃてるんですね…。くだらないマニアックなコラムに付き合って下さってる皆さん!スタッフの皆さん!にはただただ、感謝の極みですわ…。ありがとうございます! 2007年も、もう暮れですね…。皆さんにとって素晴らしい1年でしたか?素晴らしかった方もそうでなかった方も、明るく幸せな2008年を迎えてくれる事、心より願っておりますよ!2008年は今年より、政治的にも世論的にも今年よりは落ち着いて来るように、私は感じてますけどね…?
ところで、この12月の事を”師走”といいますが、その語源について最も有力な説とされているのが、年が果つる→トシハツル→シハツ→シハスだそうで、文字どおり年の終わりの義なんだと…。
よく聞く俗説では、師(匠)が走り回るほど忙しくなるから”師走”だと言われていますが、この場合の師とは、学校等の先生(教師)などではなく、伊勢神宮の御師の事で、江戸時代、伊勢の御師が伊勢神宮へ参拝する人たちの宿屋・案内係の役目を果たす一方、伊勢の暦を諸国に配布する仕事を受け持っていたものだから、この年末はその御師たちが、えらい忙しくなる!というところから来ているんだそうだ。近頃では、学校の先生たちも昔と違って、夏休み・冬休みといっても、なかなか休みを取れない状況もあるらしいから、先生たちも師走なのかも知れませんけどね…?
このコラムが出ちゃった頃には過ぎてしまっているけど、12月13日(あるいは8日)を「事始め」と言いますよね?1年の終わりだから、「事納め」だ!って言う方もいますけど、これは真実を知らない方の理屈であって、「事始め」が正しいんですって!実は、「事始め」の「事」は神事のことを指していて、「正月始め」を意味しているのさ。
要するに、正月を迎える、言い換えれば、新たな年神さまを迎える”準備を始める日”の事で、昔はスス払いから始めて、大掃除をして行った日なんだと!そして、大晦日の夜、除夜の鐘を聞き、正月さま(年神さま)を迎えると、全てがまったく新しくなって、前の年の罪も穢れも消え去る!とされていたようなのね…。
落語にもあるでしょう?江戸落語で、大晦日の夜まで、家賃の未払い等の借金で逃げ回っていた長屋の店子(たなご)が、貸主の大家に出くわしても比較的平然でいられた…という話。新しい年神さまの来訪で、借金が時効になってしまったからだそうだ…。借金という罪・穢れが108の除夜の鐘で祓われ、新生してしまうという考えの落語なんだけどさ…。もちろん、実際には商取引の貸し借りはなかなか消えたりはしなかったようですけどね(笑)。
この時期忙しい方も多いと思いますが、しっかり今年の罪も穢れも大掃除や除夜の鐘で祓って、今年嫌な事が多かった方も、素晴らしい2008年にしょうではありませんか!