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[2011.06.29]
■「怖い絵」の本当の怖さ
女房と私は読む本のジャンルが違う。 
そこで、時々、私は彼女の読み終わった本を読む。 
その中に「怖い絵」という本があったので、それを読んだ。 
 
この本はヨーロッパの有名な絵画に秘められた怖い逸話を紹介していて、かなり面白い。 
その本からの解説を少しだけ受け売りしようと思う。 
 
「怖い絵」 全三刊 


1番目にはドガの「踊り子」である。 
バレーを習う少女というと、裕福な家の子供の習い事のように感じてしまうが、当時のオペラ座というのは上流階級の男達の為の娼館であった。 
 
だから、バレリーナというのは娼婦である。 
それを知って見る「踊り子」は、全く違う絵のように見える。 
 
ドガ 「エトワール、または舞台の踊り子」 
 
2番目にルドンの「キュクロプス」 
これは神話を描いたもので、作者のルドンが虐げられて育った幼少期の経験が、陰から覗く大きな目となって表現されている。今風にいえば、ストーカーである。 
 
3番目にゴヤの「我が子を喰らうサトゥルヌス」 
これも神話で、予言で子供に殺されることを告げられて、それを恐れて我が子を食べてしまう絵である。 
 
日本では鬼子母神がそれに当るが、鬼子母神は他人の子供を食べたのである。 
 
ルトン 「キュクロプス」 
 
4番目にアルテミジア・ジェンティレスキの「首を斬るユーティスト」 
これも神話からとった絵であるが、女性2人に寝首を掻かれるというのは男にとってかなり怖い。 
 
この本を読んで、本当の怖さはそれらの絵ではなく、その背後にある時代の事情の方だと分かったのである。 
でもこんな付け焼刃では、ヨーロッパ絵画では伊達一番の博識で、コレクターのIさんには馬鹿にされそうだ。 
 
ゴヤ 「我が子を喰らうサトゥルヌス」 
 
(おまけの話) 
スイスのローザンヌに、アール・ブリュット美術館がある。 
この美術館は精神を病んだ人達が書いた絵画を多く集めてあり、それを公開している。 
 
20年以上も前に家族3人で、そこを訪れたことがある。 
市内からバスに乗り、15分くらいの郊外に美術館はあった。ところが、そこに飾られている絵を見て驚いた。 
 
アルテミジア・ジェンティレスキ 
「ホロフェルネスの首を斬るユーティスト」 
 
今までに見たことが無いような絵画ばかりだ。 
絵が私を惹きつけて離さない。 
岡本太郎も顔負けで、「爆発」している。 
 
暫く絵画を見た後に美術館を出たら、めまいがした。 
あまりに強烈な個性の絵に、私の脳が付いて行けなかったのである。 
 
女房はその後、暫く頭痛が治らなかった。 
これもまた「怖い絵」である。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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