■壮瞥町のリンゴ
11月17日の朝に電話のベルが鳴った。 出てみたら、懐かしい声が聞こえて来た。
壮瞥町の岩倉観光果樹園のTさんの奥さんからだった。
「東京に行く」という話かと思ったら、「リンゴを送る」と言う。
そういえば、私が7月に伊達市に行った時には、Tさんのリンゴ畑のリンゴの実はまだ胡桃くらいの大きさだった。
あれから4ヶ月でこんなに大きさになったのだ。
壮瞥町から来たリンゴ
そして2日後に新鮮なリンゴが届いた。
「ハックナイン」という初めて聞く品種と、甘い「王林」であった。
Tさんが手塩にかけて育てたかと思い、心して食べる。
リンゴを食べた後に、Tさんに電話をしてみた。
電話に出たTさんは相変わらず少し訛りのある北海道弁で、いつものように話をする。
ハックナイン (北海道だけの品種で、東京には来ていない)
久しぶりのような気がしない。
「壮瞥ではもう雪が降った」と言っていた。
東京では気が付かなかったが、北海道は雪国なんだなー。
リンゴがキッカケで、壮瞥町と私の住むマンションを比較してみて驚いた。
壮瞥町は9月30日現在の人口が2839人である。
私の住むこのマンションはツインタワーとなっていて、2棟で約7000人が住んでいる。
王林 (最近の定番リンゴ)
壮瞥町ではみんながゆったりと平面で暮らし、ここではギッシリと上下に暮らしている。
壮瞥町では自分の家の庭に車を停めて家に入るが、ここでは自分の家に行くのにエレベーターに乗る。
これだけ違うと、長い間に人の考えや行動に大きな違いが出ない方が不自然である。私は壮瞥町の方が、人間らしい生活で素晴らしいと思う。
ハックナインを半分に切って食べる。
(おまけの話)
I果樹園の主のTさんは、かなり気の良い男である。
私の人生で出会った人の中でも、ベストスリーに入る。
あの北海道訛りのTさんの言葉を聞くと、心が和む。
そういえば、私が今年の7月に伊達市に行った時には、自分の乗用車を私に貸してくれた。
私の到着に合わせて伊達紋別駅までその車を運んで来てくれて、「滞在中はこれに乗ってくれ」と言った。
ハックナインで女房が作ったアップル・タルト (天然蜂蜜も壮瞥町産)
そして壮瞥町のペンションを予約してくれて、そこに滞在した。
夜は壮瞥町の人を呼んで来て、バーベキューをした。
ゴルフも壮瞥町の人とやった。
私は伊達市が企画している「心の伊達市民第1号」なのに、今ではすっかり壮瞥町に溶け込んでしまっている。