■学歴は不要
かなり昔のことだが、ソニーの創始者の盛田昭夫氏が書いた本に「学歴無用論」というのがあった。 彼の本の趣旨は「学歴は無用だが、学力は必要」ということだった。
今の社会では、どうなのかはよく分からない。
なぜなら学歴のあるオヤジが定年間近にリストラされているのを見ると、「学歴より実力」というのが今も昔も変らぬ真理のように思えるからだ。
風船も学歴も上がればいいのか?(日比谷公園)
ところで、このマンションに越して来て、色々な人に出会った。
多くは現役時代にサラリーマンだった人達である。
彼らはとりあえずお互いの学歴を知りたがる。
引退したオヤジに学歴など無用な筈なのに、なぜだろう?
私は聞かれても答えない。
なぜなら、「今さらなぜ?」、「なんの役に立つの?」、「自分と比較したいの?」と思うからだ。
菊の品評会は比べることが重要。
そして最大の理由は教えたことにより、「俺はおまえの先輩だ」、とか、「後輩だ」と言われるのが嫌いなのである。
50年も前のことを持ち出して自慢したり、卑下したりすることはない。
そんなことより、「今までをどう生きて来たか?」、そして「今はどうなのか?」の方が重要だし、その話の方が面白い。
皇居の白鷺も群れるのが好きだ
たった1つの過去の経歴しか自慢出来ないのは、少し寂しい。
そんなジジイにならないように、私は他人の学歴も聞かないし、自分も言わない。
その人に魅力が無い人ほど、昔の学歴をいつまでも言うという悲しい現実があるようだ。いずれにしても、ジジイの自慢話は聞いていて嫌味である。
美しい秋の色も枯れれば終り
(おまけの話)
このマンションで知り合った人にXさんという人がいる。
私から聞いたわけではないのだが、Xさんは中卒だと言っていた。
それでも日本を代表するような大手企業に就職し、そのまま定年まで勤め上げて引退した。そして、このマンションに越して来て、縁あって私と知り合った。
中央区の公園は健康を考えている
Xさんはとても謙虚だ。
それに見た目は品が良く、話し方も丁寧である。
自分で中卒と言わなければ、誰も分からないままだったはずだ。
それなのに、なぜ自分から言ったのだろう?
私なりに思うのは、Xさんは「自分の生き方に自信を持っている」からではないだろうか?
Xさんの堂々とした態度を見ると、なんだか嬉しくなる。