■吉祥天から弁慶へ
こちらに越して来てから、私用の広い書斎が無くなってしまったので、なかなか仏像を彫る気持ちになれないでいる。 10月に開催された仏像教室の作品展にも、マンションの委員会があって出展出来なかった。
また、私より遅れて教室に入会して来たKさんという人がいるが、彼は熱心な生徒で制作数では私を追って来ていた。
完成した「吉祥天」
Kさんはここ暫く教室に顔を出していない。
先生に聞いてみたら、「腰痛で来られない」そうである。
以前からKさんは、「長時間、椅子に座っていると腰痛が出て来る」と言って、時々席を立って、その辺りを歩き回っていた姿を思い出す。
武蔵坊弁慶像(正面)
強力なライバルが来なくなったこともあり、私の制作はなかなか進まないでいる。それでも6ヶ月くらいで、やっと吉祥天を仕上げることが出来た。
先生に、『次の題材は何ですか?』と聞いたら、返答に困っている。
なぜなら、私は今までは次々と作品を仕上げてしまうので、もう先生の手持ちの教材が無くなってしまったからである。
武蔵坊弁慶像(背面)
先生は、『卒業というのもあっていいのかなー?』なんて言っているが、私は卒業はしたくない。
仏像彫刻は奥が深いし、最近は仏像ブームもあり博物館で国宝級の仏像の公開もあるので、私の作品と比較するという興味もある。
ゆっくりでいいから、長く続けたい趣味である。
仏像を彫っていれば、きっと天国へ行ける。・・・・筈だ。
自分で作った弁慶像の教材(正面)
(おまけの話)
次に彫る題材が無いので、自分で探すことにした。
そして、思い出した。
人形町へ行った時に、甘酒横町を進んで行くと公園があり、そこに青銅の弁慶像があるのを覚えていた。
そこで自転車で人形町まで出掛けた。
人形町は名の通り人形師が多く住んでいたことから名付けられたそうだが、今でも稀代の人形師の辻村寿三郎の「ジュサブロー館」がある。
製作途中の武蔵坊弁慶 (かなり難しい)
公園に着くと、すぐに写真撮影に取り掛る。
正面、背面、横、斜め、下などの写真を撮る。
細部に付いても漏れなく写真を撮る。
それを持ち帰って、紙に設計図を書いて、それをヒノキの材料に張り付けて準備完了である。
果たして、どんな作品が出来上がるか?