■築地市場は観光地だ
暮れが近付くと、なんだか慌ただしくなり、急にそわそわし出して、人は食料品の買い物をしたくなるようだ。 近くにスーパーがあるのだから、そこで買えば済むものを、なぜか築地市場とか上野のアメ横に繰り出す。
これは恒例行事であると同時に、レジャーでもあるのだろう。
そんなことで、女房はこのマンションの住民を引き連れて、3回も築地ツアーを行った。
ごった返す場外市場 (長谷川の横)
案内ばかりしていて、なかなか我が家の買い物が出来ない。
そこで、私に荷物係を言い付けて、早朝から買い出しに行った。
午前8時だというのに、もう場外市場はごった返している。
また驚くことに、朝8時から寿司を食べる為の行列が出来ている。
「よく、朝から寿司なんか食べられるなー」と、感心する。
鰹節は「秋山商店」に限る
女房はお馴染の「鰹節の秋山」、「包丁の有次」、「昆布の吹田」などで買い物をする。私は「茂助だんご」で「草もち」を買う。
人混みをかき分けて場内に進む。
ここも大混雑だ。ターレーが狭い路地を、勢いよく走り回る。
正月には数の子は欠かせない 「大宝」
観光客と素人買い物客と外国人とプロとが入り混じって、まるでお祭り騒ぎだ。
ところが、我が家のお目当ての肉屋の「秋山畜産」は客がいない。
ここは穴場なのである。
かなり良い肉が、驚くほど安い。
ステーキ用とすき焼き用の肉を買う。
いまや、築地は「市場というよりは、観光地である」。
豆なら「山本商店」
(おまけの話)
同じマンションに住むXさんから、『築地の包丁屋で、我が家の包丁の研ぎをお願いしたい』と連絡があった。
ついでのことなので、私達が築地市場に行く時に持参した。
包丁屋といえば、「有次・(ありつぐ)」である。
有次の包丁 (先祖は刀鍛冶)
預かった包丁は見るからに安物で、「研ぐ価値があるかなー?」と思いながら店の者に差し出した。
すると、『研ぎは1本1000円なので、これは研いでも勿体ない。研ぎ賃で新しい包丁が買えてしまう』と言われた。
『それに薄くてペラペラなので、研ぐのも危ない』と言った。
そこて、Xさんに事情を話して返却した。 Xさんは照れていた。