■今年最後の「おまけ」
今年のブログは前回で終りのつもりだった。 ところが、30日に築地市場に行ったら、凄いことが起きていたので今年の最後の「おまけ」を書いてしまった。
午前8時過ぎに築地場外市場に行って驚いた。
そこはまるで戦後の闇市のようだった。
大勢の買い物客と、買い物をしない観光客が来ていて、身動きも出来ない。
ただ人波に押されて、ノロノロと動いているだけである。
戦後の闇市のような雑踏で・・・・(築地場外市場)
仕方ないので場内に行って少しの買い物をして、贔屓の喫茶店の「愛養」に行った。この店は店主と一緒に老朽化していて、殆どの道具類はもう骨董品になっている。
来ているお客も骨董品のような市場関係者の常連さんばかりで、彼らの話を聞いていると、まるでどこかの家の茶の間にいるような感じになる。
場内の老舗のコーヒー店 「愛養」
店に入って来た常連が玉子焼きを持って来た。
前からいた常連客が、「おまえは玉子焼きなんか持って来るから、人気がねーんだよ。俺なんか何も持って来ねえぞー」と茶化す。
その勢いで、『オヤジよー、雑巾の絞り汁でコーヒーと言っても、美味しきゃいいんだよ。見えないところで絞ってくれな!』なんて悪態をついている。
外国人観光客が多くて、買い物も出来ない。
オヤジも、『プロというのは、お客の見えないところで努力してんだよー。』と返す。
420円のコーヒーだけで、暮れのひと時を楽しい漫談を聞いて過ごせた。
なんだか、嫌な事が全て消えて行ったような気がした。
「ねーちゃん」もお立ち台の上で明太子を売る。
(おまけの話)
築地から戻ったら、近所の部屋のXさんがやって来た。
手には「数の子」を持っている。
そして、彼女は言ったのである。
『築地市場の実家から大量に貰ったものです。どうぞ気兼ねなく召し上って下さい。近頃は数の子を差し上げてもあまり喜んで頂ける方がいませんので、・・・。来年も来れば、お届けします。』
頂いた立派な数の子
彼女の実家が築地市場の卸問屋とは知らなかった。
数の子は昔は「黄色いダイヤ」と言われていたほどの高級品だったのに、今では家で調理をする人もいなくなり、かなり安くなったし、今回のようにもらってくれる人も減ったようだ。
これで、我が家は来年の数の子を確保出来そうだ。