■北海道温泉紀行(朝日温泉の巻)
私は温泉には少し詳しい。友人達と秘湯研究会を作っているほどだ。北海道は温泉の宝庫である。また、北海道の人は温泉が大好きで、銭湯に行くくらいの気楽な気持ちでしょっちゅう温泉に行っている。 日帰り入浴は普通は500円である。無料のところも沢山ある。
ある日のことだが、父親になったばかりのHさんに温泉に誘われた。以前に私が温泉の基本知識をレクチャーしたことがあり、それ以来、私を温泉の師匠と仰いでくれている。今回の参加者はイコロ農園のTさん、水泳の師匠もやっているスポーツウーマンのC子さん、その弟子のT子さん、そしてHさんと私の5人である。
カルチャーセンター駐車場に9時に集合して、目的地に向かう。今回の目的地は秘湯『朝日湯』である。名前はあまり秘湯らしくない。
トヨタのランドクルーザーで1時間半くらいで蘭越経由で日本海側の岩内に出る。
そこから山道に入る。四輪駆動車でないと行けないような登山道のような道である。
この山道を20分くらい登ると狭い谷間に雷電湯元・朝日温泉がある。この温泉が開かれたのは1844年だそうで、かなり歴史がある。
早速、入浴料600円を払って母屋でパンツだけになり露天風呂に向かう。
川沿いに作られた風呂に行く為には、1人しか渡れない細い丸太橋を2回も渡る。男性3人で入ってみる。
少しぬるめだが硫黄の香りがして気持ちが良い。
泉質は含硫黄カルシウム硫酸塩泉であり、湧出温度は49.5度である。従って丁度良い温度なので加水・加熱はしていないが、湧出量はそんなに多くないように感じた。
入浴している風呂の横で、前夜の雨で流量が増えた川の音がゴーゴーとしている。
3~4人しか入れない風呂なので、次の入浴客が来たので我々は風呂から出て席を譲る。
内湯に入り、壊れそうな休憩室でTさんが持参したイコロ農園のスイカを食べる。
隣りの席にいた年寄グループが稲荷寿司、おにぎりなどを差し入れてくれる。
こんな食べ物のやり取りも秘湯仲間の良いところである。その後、岩内で寿司を食べ、積丹半島に出て、また温泉に入り、仁木町、倶知安町を経由して伊達に戻ったのは午後6時半だった。
(おまけの話)
温泉は天然掛け流しでないといけない。沸かしたり、循環させたり、まして浴用剤なんか入れるのはもっての他である。
どうやってそれを見分けるかということだが、先ず浴槽から溢れる湯がどこへ流れて行くかをチェックする。
窓側であったり、お湯が滝のように出て来ているのに全然溢れないなんていうのは循環式である。
また、溢れたお湯が洗い場に流れて出ていたら、これも掛け流しと考えて良いだろう。
湯口にコップが置いてあったら、これは間違いなく天然掛け流しである。沸かしているか、加水しているかは風呂場に入る前の更衣室に温泉の表示が出ているので、それで確認する。
湧き出す温泉は時には100度近いものもある。
その場合は入れないので水を足している。
だが、本当の拘りの温泉はそのお湯をパイプを通して、そのパイプを川の水に浸けてラジエターで冷やしている。
それが癌患者の間で北投石で有名な玉川温泉にある。私も温泉研究家として試しに入ったが、そのお湯は強酸性で肌が痛くなる。効きそうな感じがしたなー。
伊達市・桜の家から