■ジャガイモの収穫で泣く
ジャガイモのツルが枯れるとそろそろ収穫の時期である。 ところが、イコロ農園のジャガイモのツルがもう枯れてしまった。3週間くらい早いのではないかと思う。
そこで天気の良い日を見計らって試し掘りをしてみることにした。
その日は計画中の炭焼き窯の基礎工事で生コンを頼んであるので、午前8時にイコロ農園に行く。珍しく女房も一緒に行くと言う。
彼女は農作業は嫌いで付き合わないが、収穫だけは好きなようだ。これじゃー、いいとこ取りである。
7列で40メートルくらいのジャガイモ畑には、それぞれプラスチックの札が立ててあり、ジャガイモの種類が分かるようになっている。
私は炭焼き窯の工事に掛かっていて、女房はジャガイモ掘りである。
時々、知り合いがイコロ農園にやって来るが、女房の作業姿を見て、『デメンには見えないなー』と言っている。
彼女はその言葉になぜか安心している。それが可笑しい。
30キロくらいの収穫を終えて、それをネコで小屋に運ぶ。
ここで2~3日、乾燥させてから女房は東京の友人達に送るそうだ。
試しに持ち帰ったジャガイモを茹でて、イカの塩辛をのせて食べたら磯と畑の香りがした。これが北海道方式である。
(写真の説明)
写真の左からメイクイーン、男爵、レッドアンデス、北アカリ、インカの目覚め、洞爺である。
(おまけの話)
収穫を終えたジャガイモを倉庫に入れておいた。
2~3日経ってからジャガイモを見たら、なんだか変だ。
ところどころに白い斑点が出ている。
更に翌日に見たら発酵して、クリーム状になっているものがある。
近所の農家のKさんとIさんが心配そうな顔をしてやって来た。どちらの農家も同じ症状が出ていると言う。
これは無農薬農業の宿命とはいえ、大変なことが起きてしまっている。
今年の無農薬栽培をしている農家のジャガイモはほぼ全滅である。
努力が報われなかった時の農家は辛いことを実感した。
農業改良普及センターに行って聞いてみた。
『これは雨の後の異常な高温がカビを繁殖させてしまったのです。農薬を全く使わないというのはこんなこともあるのです』との回答だった。
来年は減農薬でやった方がいいのか悩んでいるTさんである。