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[2008.10.09]
■海に異変が起きている
私が伊達市に滞在しているこの5年間、毎年のことだが鮭の定置網漁に行っている。 
嘘か本当か定かでないが、有珠漁港のYさんは、『橋本さんが船に乗ってもらうと大漁になる』と言ってくれるから嬉しい。 


午前5時45分に有珠漁港の岸壁に行くと、そこでは既に出港準備の最中だった。私が船に乗るとすぐに漁船が岸を離れた。 
そこから10分ほどのアルトリ岬の沖合の定置網の脇で船が止まる。 
 
 
いつものように、5人の海の男達は無言で作業を始める。 
誰も指示など待たずに自分の持ち場の仕事をする。 
さすが、海の男だ。 
 
ブイに吊るされた網を機械を使って引き寄せる。 
船の脇に引き寄せられた網の中にはあまり鮭の姿が見えない。それを大きなタモを使いクレーンで引き揚げる。 
網は2ヶ所に仕掛けてあるので、同じ作業を繰り返す。 
鮭も入っているが、イカやソイが多い。 
マンボウやエイも入っている。 
約1時間の作業で約300匹の鮭が獲れた。 
 
 
船長に聞いてみた。私、『例年より、ずいぶんと少ないですねー』 
船長、『こんなことは初めてだ。北海道はどこも獲れていないようだ』 
私、『これからもっと寒くなれば鮭は来ますか?』 
船長、『こんなことは初めての経験なので分からない』。 
 
9月29日に仏像展の人達を豊浦のインディアン水車に案内した時には、海でも大漁だったそうだ。 
それっきりあまり来なくなったそうだ。 
何か海で異変が起きているのではないか? 
 
帰りには貴重な鮭を断り、イカとソイをお土産にもらった。 
それを女房が捌き、刺身と煮物と天ぷらにして昼食の用意をした。 
折角だからと、東京から移住したHさんをコテージに呼んだ。料理は大勢で食べる方が美味しいに決まっている。旨かった。 
 
(おまけの話) 
鮭の定置網漁というのは、川に上がって来た鮭を捕獲して、卵を取って受精させて、それを稚魚に育てて、また川に放流する。 
その鮭が3年経って故郷の川に帰って来るところを待ち構えていて、海に網を張って捕まえる漁法である。 
そうすると、大体だが3%くらいの鮭が故郷の川に戻って来る。 
 
ある時、有珠漁港のYさんに聞いてみた。 
私、『どのくらいの数の稚魚を放流するの?』。 
Yさん、『有珠で100万匹です。だから毎年、3万匹の漁獲になります』。 
私、『北海道のどこでもやっているの?』。 
Yさん、『北海道の海岸線では、どこでもやっています』。 
私、『どこでも同じくらいの漁獲高ですか?』。 
Yさん、『いや、北に行くほど多い。鮭は北の方から海岸沿いに南下して来るらしいので、途中で捕獲されてしまうのかもしれない。特に噴火湾は入り口が狭いので、入口にある室蘭が漁獲が多い』。 
私、『なんか不公平な感じだなー』。 
Yさん、『昔からこうやって漁をしている』。 
さすがに海の男は心が広いなー。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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