■人生いろいろ(1)
このマンションに越してきてから、マンション内のカラオケルームで1ヵ月に一度歌う機会がある。そのせいもあり、歌謡曲の歌詞がブログに出ることが増えたように感じる。
演歌はほとんどの場合「酒と女と涙」が登場する。
この3つがあれば、演歌になってしまうから不思議だ。
私のゴルフ仲間に演歌の作詞家の第一人者である星野哲郎氏がいたが、彼の書く歌詞はいつも「上手だなー」と感心していた。
今回の写真は「ふるさと納税」で頂いた宮崎マンゴーの種からの生育状況です。
マンゴーが2つ、送られて来た。
今回は星野哲郎ではなく、中山大二郎が作詞し、作曲は浜口庫之助で、歌ったのは島倉千代子で1987年のレコード大賞を受賞した歌から連想する「人生いろいろ」をテーマにする。
「人生いろいろ」
・作詞 中山大二郎 ・作曲 浜口庫之助 ・歌 島倉千代子
「死んでしまおうなんて 悩んだりしたわ バラもコスモスたちも 枯れておしまいと
髪をみじかくしたり つよく小指をかんだり 自分ばかりを責めて 泣いてすごしたわ
ねぇおかしいでしょ 若いころ ねぇ滑稽でしょ 若いころ
笑いばなしに 涙がいっぱい 涙の中に笑いがいっぱい
人生いろいろ 男もいろいろ 女だっていろいろ咲き乱れるの」
マンゴーにはこんな種が入っている。
76年も生きて来ると、自分以外の色々な人の人生を見ることになる。
みんなが素晴らしい人生を送ったとは言えないが、それぞれが色々な事情で色々な人生を送ったということが分かる。若い頃は未熟で、それが分からなかった。
その時々で「羨ましいなー」と思う人はいたが、最初から最後まで私が羨むほどの人生を送った友人、知人はいない。
【人生いろいろ YOUTUBE 】・・・・・https://www.youtube.com/watch?v=F2JaJF02o0M
説明書通りに種を2つ別々の植木鉢に植えたら、小さな芽が出て来た。(発芽3日目)
「若い頃は恵まれなかったが、後半で恵まれた人」、「前半は恵まれていたが、終盤で破綻した人」、「可もなく、不可もなく過ごした人」、「自ら命を絶ってしまった人」など、色々な人生を見て来た。
そのような人生を見て来て感じるのは、「人生は、その人の持って生まれた運が大きい」と思う。
更に、「人生は最後に、帳尻が合う」ということもある。
段々と幹が伸び来てている。若葉は茶色い。(12日目)
自分の人生はこれまでにも色々と書いて来たので、今回は他人の人生の話である。このブログを読んでいる人が登場すると問題となるので、その以外の人の話である。
そこで色々と考えたが、最初は我が家の昔の女中さんの話にする。
今の時代は「女中」は差別用語なのか、公共放送では禁止らしく「お手伝いさん」と呼ぶ。私はその理由が分からない。
葉の色が最初の茶色から、段々と緑色になって来る。(17日目)
私が小学生の頃から中学生の頃まで、我が家にはお手伝いさん(C子さん)がいた。C子さんは15歳で鹿児島県の屋久島から出て来て、我が家に住み込みで働いてくれた。
20歳を過ぎた頃に「美容師になりたい」と言って、都内の美容学校に通い出した。
そして何年か後に、自由が丘に自分の店を出した。その後、商才があったらしくトントン拍子で事業家になり、新宿歌舞伎町でクラブ経営までした。そのC子さんも10年前にアチラの世界に逝ってしまった。
発芽20日目
女房の料理教室で雑用を手伝ってくれたM子さんは、我が家に来た時は既に75歳だった。
元気溌剌で年齢を感じさせず、なんでも面倒がらずにやってくれた。
私達が夏に北海道伊達市に行っている間は、2日に1回は我が家の窓を開けに来てくれた。そうしないと私達が戻ると、家中がカビだらけとなってしまうのである。
ある時、いつもの時間にM子さんが来ない。電話も出ない。心配になって家まで見に行ったら、隣の家の人が、「今朝、脳梗塞で亡くなりました」と言った。「あんなに元気だった人が・・」と残念で仕方ない。
この2人のお手伝いさんはアチラの世界で、幸せになっているだろうか? 人生いろいろである。
発芽28日目
(おまけの話)
関西方面に住んでいる知り合いの話である。
夫婦の年齢差は20歳以上で、奥さんは病院関係の仕事をしている時に、入院してきた男と知り合い結婚したのがその亭主だった。
どちらもバツイチ同士だった。亭主の方は金持ちという触れ込みだった。私は招かれて彼の家にも行ったことがあるが、田舎の小金持ちという感じだった。
発芽30日目
普段は彼らとあまり交流が無いので、忘れていた。
ある時、そんな夫婦の奥さんから電話があり、夫婦の危機と相続問題で相談を受けたことがあった。
「亭主がボケて来たので、成年後見人制度を利用しようと思った。その為に20年以上も音信不通だった実の娘を探し出し、書類に印鑑を押してもらうことになり、そこから問題が起きた。現れた娘は父親を連れ去り、父親を洗脳して離婚を要求して来た。自分にも老後の生活があるので、弁護士に頼んで裁判をする」。
発芽40日目
ボケたオヤジはあんなに尽くしてくれた後妻の女房より、音信不通でも血を分けた娘の方を信用したのである。彼女は亭主と別れた後は大阪に戻り、いまはパートタイマーで時給950円で働いている。
最近になり東京にいる実の長男が癌で手術することになり、夜行バスで上京し我が家にもやって来た。
そしてなんと7時間も、我が家で愚痴を言い続けたのである。
不幸な話を聞かされる私は本当に疲れてしまった。今後の生活のアドバイスをしたら、最後は元気に帰って行った。
彼女(70歳)はこれからも働き続けなければならないようだ。
気の毒だが、「人生いろいろ」である。
あのマンゴーの種がこんなに大きな木になった(発芽から54日目)