■豊洲市場の見学(上)
【豊洲市場が開場したが、私は2年前の10月に市場を見学した。その時はブログを閉鎖中だったので、今回のブログで当時の様子をお知らせします】 本来は築地市場の移転が決まっていて、11月4日に引っ越すことになっていた。その時に築地の運搬用ターレーが2000台も晴海通りを豊洲市場に向かってパレードをすることになっていたので、カメラマンの私は楽しみにしていた。
ところが舛添知事がセコイ金銭スキャンダルで辞めてしまい、その後に小池百合子氏が都知事選に当選してから豊洲市場に大きな問題が発覚して大混乱となっている。
豊洲市場の新豊洲駅側の入口。
そこから東京都の職員の「土盛り」の隠ぺいに続き、地下水の汚染問題などが表面化して、今ではどうすればいいのか分からないほどの迷路に入ってしまった。一連の騒動を見ていると都議会議員もそうだが、都庁の役人の無責任体質が良く分かる。
そんな時に、私の学生時代の友人(Xさん)から電話があった。
話の内容は築地市場とは関係が無かったが、彼は水産業に関係のある仕事をしているので、ついでに聞いてみた。
荷受けプラットホーム。
私 「豊海埠頭の方だけでなく、豊洲市場の方でも何か工事をしているのか?」
Xさん「しているよ。今は忙しいんだよ」
私 「私を豊洲市場に入れてくれないかなー?」
Xさん「いいよ。連れて行ってあげるよ」。
・・・ということになり、ある日の午後にXさんの車がマンション前に迎えに来てくれた。
Xさんが受注した大手仲卸業者の事務所の内装工事。
晴海通りを銀座と反対方向へ進み、晴海運河に架かる「晴海大橋」を渡ると「ゆりかもめ」の高架線が見える。
そこをくぐると、右側が豊洲市場である。
市場の入り口で友人の会社の社員ということにして、氏名と連絡先をノートに記入して、入場バッジをもらう。
水産棟から隣の棟への通路。
外装はほぼ完成していて、中に入ると天井が高く、ガランとした空間が広がる。ここは市場がオープンすると鮮魚が置かれてセリなどが行われる場所なので、かなり低い温度になる予定だが、今は空調はストップしている。
奥に進みエレベーターで5階に上がる。そこは水産会社の事務所が並んでいる場所で、友人の会社はここで下請けを使って内装・電気工事・室内設備・ロッカーの据え付け工事の真っ最中だった。
マグロのセリ場だけは床が緑色。
小池都知事は豊洲市場の移転に「待った」を掛けたが、私が現場を見た限りでは、この先の解決はとてつもない時間と労力が必要だと思う。
工事業者はそれでも契約があるので、内装工事をストップしないでドンドン仕事を進めている。
発注者の会社は市場がオ―プンしなくても、業者に支払い義務がある。
オープンがいつになるか分からないが、それまでの資金繰り、金利などを東京都が負担するのだろうと思うが、それは東京都民の税金から支払われる。
セリ場
地下水の問題など、豊洲市場は築地市場の不衛生な状況と比較したら大したことはない。現場を見た限りでは、TVの騒ぎ過ぎに惑わされずに早くオープンした方が良いと思った。
なにも魚を汚水の出ている地下室に置くわけでもないのに・・・。
今回の問題は都議会のドンとゼネコンとの関係と、無責任な小池都知事と都職員であるのに、地下水問題ばかり取り上げるTVで問題の本質がボヤケてしまっている。
仲卸業者の売り場は狭い。
(おまけの話)
政治家も信用ならない人が多いが、役人は更に酷い。
以前、ある会で親しくなった元都庁の上級職の男と話していて驚いた。
私が「都庁に床屋があるのは変だ」と言ったら、その男は「私は忙しいから、都庁の中に床屋が無いと困るからだ」と言う。
通路は築地市場より広い。
私「エー、では就業時間中に床屋に行くの?」
男「エーッ!、だって誰でもみんな行くよ!」
私「そんなことは民間企業では許されないですよ!」
男「そうなの?、じゃー、いつ行くの?」
私「会社が終ってからか、休日に行くのです」。
何に使う場所か?、天井も高く広い。
この男と話をしていると、「ここは日本か?」と感じてしまう。
亡くなった友人の都議会議員も似たようなものだった。
民間のように身分、収入に保証が無い人達と違い、税金で生活している人達はまるで常識が無いし、宇宙人のようだ。
こんな人達が築地市場の移転を計画していたのだから、問題が発生しない方が不思議である。
豊洲市場は密閉式で空調完備なので、清潔である。