■和船で花見
女房が「今年は桜を見ていない」と言うので、晴れた土曜日に門前仲町に行き、大横川の桜を見ることにした。門前仲町はマンション前から都バスに乗れば、13分で着く。 勝どきから清澄通りを北に進むと「もんじゃ」の月島を通り越し、相生橋を渡ると江東区になる。
大横川の桜は満開だった(江東区門前仲町)
門前仲町の交差点の手前に「大横川」がある。
3月23日から4月7日までは「大江戸深川さくら祭」を開催していて、色々なイベントがある。
その日(4月6日)は桜が満開で、多くの花見客が来ていた。
大横川に沿ってある小道を歩いて、桜を楽しむ。
桜と和船はよく似合う。
大横川には引っ切り無しに和船と乗り合い船がやって来る。
川に下がっている満開の桜の枝を通して見る和船は、まるで昭和か大正時代に逆戻りしたようだ。
風も無い日だったので、川面には散った花びらが浮かび花筏となっている。「桜には川が似合う」と感じたのは、日本人だからか?
大横川沿いの小道を歩いて撮影した。
和船と乗り合い船の乗客はオレンジ色の救命胴衣を見に付けている。
それが江戸情緒を壊しているが、それも仕方ないのであろう。
和船は音もなく静かに進む。エンジン付きの乗り合い船も低速で、音を出さないようにしている。
桜の枝越しに和船が見える。
大横川に架かる橋の2つ先まで歩き、桜の花を満喫する。
女房は「和船は以前に乗ったことがあるし、あの救命胴衣は汚いし、臭いのでは?」と言って乗りたがらない。
以前にマレーシアで「ホタルのクリスマスツー」を見に行った時に着せられた救命胴衣が、あまりに臭かったので懲りているのである。
船頭さんは「和船友の会」のメンバー。
桜を見たら、もうすることが無い。
そこで以前に行ったことがある、地下鉄で2駅先の森下にある老舗の洋食店の「煉瓦亭」に行くことにした。
煉瓦亭で洋食を食べるのが目的ではなく、「ラーメン」を食べるのが目的である。「洋食店でラーメンとは?」と思い、前回に来た時にオーナーにその理由を聞いた。
川面には既に花筏が出来ていた。
それによると、「創業時に2人で始めたが、1人は洋食、もう1人はラーメンだった。相棒のラーメン職人が亡くなってしまったが、彼の遺志を継いでラーメンを続けている」ということだった。
女房はメニューに無い「チャーシュー・ワンタンメン」を特別注文していた。チャーシュー・ワンタンメンを食べた後に歩いて人形町に行き、お気に入りの「いなり寿司」、「煎餅」、「玉子焼き」、「富貴豆」を買って帰ったのである。
船は右側通行である。
(おまけの話)
和船と言えば、昨年の5月に私は和船を漕いだ。その時の話である。
大横川の門前仲町を通った時に、川に和船が並んでいて、船頭がいるのが見えた。
船着き場に降りて行って船頭に話し掛けてみたら、「和船友の会」の人達だった。彼らは和船の文化を守るために活動している人達だった。
「横十間川親水公園」の和船練習場所。
「和船友の会」という団体のホームページによると「和船友の会は1995 年に失われつつある和船を動態保存して、その操船技術を伝承するために江東区の呼びかけに応じて元漁師、船大工、地方での経験者などが集まり創設されたボランティア団体です。」とあった。
そして希望者に和船の櫓こぎ体験を無料で指導してくれると分かった。
Tシャツの指導員に和船の櫓の使い方を習う私。
そこでマンションの友人達を誘って、横十間川親水公園に行った。
救命胴着を身に付けて、船頭の操船で船は岸を離れた。
最初は船頭さんが自分で漕いで、操船方法を教えてくれる。
そして私の番になった。いざとなったら、結構、難しい。
でも船頭さんの手助けで、なんとか前に進む。
和船は音も無く静かに進むので、とても気持ちが良い。
たった15分くらいの経験だったが、3~4日やれば、私でも出来そうに感じた。
和船は音がしないので、気候の良い時はとても気持ちが良い。