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[2019.05.29]
■写経に挑戦
 
この年になると、先のことより人生を振り返ることの方が多くなるのは仕方ない。反省と後悔は山ほどある。 
失敗より成功の方が少し多かったので、なんとかここまで来られた。 
 
その中で反省でも後悔でもないと思うが、残念なことがある。 
次に生まれ変わったら、「こうありたい」という話である。 
 
シニアのための「毛筆写経教室」 


それは「音楽の才能が欲しかった」と、「文字を上手に書きたかった」の2つである。伊達市のミュージシャンである「手風琴」のリーダーだったKさんを見ると羨ましい。 
 
彼には私の作詞した「2人の旅を探して」に曲を付けてもらったが、作曲も自分で出来たらどんなに良かっただろう。 
「歌も音痴」、「楽器も弾けない」のが残念で仕方ない。 
 
この日の為に筆と硯を買った。 
 
 
もう1つの「文字が下手」は、現役の時には何回も恥ずかしい思いをして来た。「字が下手だと教養が無い」ように感じるのは、字の下手な私の僻みか? 
 
葬儀や結婚式や祝賀会などで、受付で毛筆を渡される時がある。 
これが困った。 
ボールペンでも下手なのに、毛筆など渡されたら目も当てられない。 
 
教材として配布された「般若心経」の説明文の毛筆が上手だ。 
 
 
この2つの劣等感を、ズーと引き摺って人生をやって来た。 
そんな時に中央区のシルバー人材センターから、次のような案内があった。 
 
「毛筆写経教室(初心者向け)の募集」とあった。 
「申し込み多数の場合は抽選」とあったので、すぐに女房と2人で申し込んだ。 
 
写経用紙は薄い字で般若心経が書かれているので、その上をなぞって書く。 
 
 
幸いに当選したので、1人2500円の会費を振り込み、4回の講座を受けることになった。教室は八丁堀の「京華スクエア」で、江戸バスで新富町2丁目で降りて、徒歩5分である。 
 
9時30分から始まった教室には、18名の生徒が来ていた。夫婦ものは私達だけだ。高齢の女性指導者により、写経が始まった。 
 
一行だけ書いてみたら、あまりの下手さ加減に自分で驚いた。 
 
 
「初心者向け」と言いながら、「筆の持ち方」、「字の書き方」などの指導は無い。 
いきなり薄字で書かれた「般若心経」の教材に筆で書く羽目になった。 
 
当然であるが、全く下手で話にならない。 
それでも最後まで書いたら、なんとなくコツが朧げながら分かって来たように感じた。 
 
般若心経の262文字を書き終わった。(小さい画像だと、それなりに見える) 
 
 
書き終わった教材に「令和元年5月10日」の日付を入れて、その下に名前を書く。それを黒板の前に座っている先生に見てもらった。 
 
私は「30点くらいですか?」と聞いたら、「まあ50点ですね。4回目になれば、自分でもビックリするくらい違いが出ます」とお世辞を言われた。その煽てに乗せられて、残りの3回を頑張ろう! 
 
左はお手本。右は私の字。(大きくすると、下手さ加減がよく分かる) 
 
 
(おまけの話) 
京都が好きで、今までに何回も行った。 
姉と妹が、京都に住んでいたことも関係している。 
妹夫婦とはお正月休みにお互いの家を貸し借りして、何日も過ごしたこともある。 
 
そんな経験もあり、京都はかなり詳しくなった。 
しかし京都は「夏は暑く、冬は寒い」という気候で、決して住みよい町ではない。 
 
音羽山 「清水寺」の夜の紅葉も美しい。(2013年11月) 
 
 
「苔寺(西芳寺)で拝観と写経」という企画を知り、2年前に女房と2人で行ったこともある。 
その時、初めて写経というものを経験した。 
 
お寺の1室に30人くらいの希望者がいて、筆と薄字で文字が書かれた和紙を渡された。薄字で書かれているのは経文で、それを上からなぞって筆で書くのである。これが難しい。 
 
「西芳寺」(通称・苔寺)の苔は美しい。(2014年6月) 
(この寺の拝観は事前申し込みが必要) 
 
 
人に見られたら恥ずかしいような、私の下手な筆文字だった。 
私の隣に白人の女性観光客が座っていて、筆を走らせていた。 
何気なく横目で見たら、私より上手な文字を書いていた。 
 
多分、彼女は生まれて初めて、筆というものを持つ経験だろうと思う。 
外国人の初めての筆文字に負けて、私はすっかり落ち込んだ覚えがある。 
 
「桂離宮」(2014年10月) 
(宮内庁の所管なので、見学申し込みを行わなければ見学出来ない)。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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