■夜の新宿を徘徊する
以前に花園神社の宵闇祭に行った時に、「夜の新宿に来ることは、もう無いかも・・・」と思い、ついでに「歌舞伎町」と、新宿駅西口の「思い出横丁」に写真を撮りに行った。
昼間の歌舞伎町はあまり驚くことは無いが、夜になると町が一変する。
ネオンサインがケバケバしく輝き、怪しい町に変身する。
歌舞伎町入口の巨大なパチンコ店。
「歌舞伎町」というからには、歌舞伎と関係があるのではないかと思い調べてみた。元は大村藩士の邸宅があった場所で、明治以降は鴨場となっていた。
戦後はこの町を発展、健全化するために歌舞伎の演舞場を建設する復興計画が出されたが、財政面で実現しなかった。
しかし歌舞伎町という名前だけは残ったのだそうだ。
今の歌舞伎町を見るにつけ、皮肉な名前だなーと思う。
「無料案内所」がいたるところにある。
歌舞伎町に足を踏み入れて最初に驚くのが、「無料案内所」という派手な看板で店全体を包んでいる案内所である。
普通は観光地の「案内所」は無料であるが、それは観光案内所と書いてあるから分かる。歌舞伎町の案内所は何を案内するのか書いてない。
想像は出来るが、無料というのも怪しい。
「タピオカ飲料」の店らしいが、派手過ぎではないか?
ネットで調べてみたら、やはり怪しい。
「性風俗店」を案内するところと、「キャバクラ」や「ガールズバー」を案内する店に分れているらしいが、外からでは分からない。
私はどちらも縁が無いので先を急ぐが、その先にも「無料案内所」はある。至るところに無料案内所があるが、彼らは店からバックマージンを取っているのだろう。
案内所から紹介されなくては客が来ないのだろうから、行ったお客がどうなるのか分からない。
「ロボット・レストラン」が今の歌舞伎町で流行りらしい。
この町も外国人観光客が多い。しかも若い人ばかりである。
最近の外国人観光客はネットやインスタグラムなどで情報を仕入れてやって来るので、ありきたりの観光地ではなく、ディープな日本を見たくて来るのだろう。
私のみたところ、彼らはブラブラと歩いているだけなので、大してお金は落とさないと思う。
どちらの店も怪しそう。 「なに屋」か分からない。
Tシャツ姿の外国人の若者の集団が私の前を歩いていた。
ラグビーとかアスレティック系の若者か、もしかしたらアメリカ兵かもしれない。若い女の子に声を掛けるが、無視されている。
彼らならボッタクリバーに入っても、用心棒の方が逃げ出しそうだ。
屈強な外国人の若者グループは、何を求めて歌舞伎町へ?
この町では私の同級生が2軒のバーを経営していたが、彼も既にアチラの世界に逝ってしまった。歌舞伎町を歩いて回り、私はケバケバしいネオンの光に疲れてしまった。
TOHOシネマの前でゴジラが火を吹くのを待っていたが、なかなか吹かないので諦めた。
歌舞伎町は50歳前でないと無理な町ではないだろうか?
両側がパチンコ屋の道路で、警察官が職務質問をしていた。
(おまけの話)
大江江戸線に乗って帰るために、新宿駅西口の方に行った。
すると「思い出横丁」が目に入った。
久し振りに、思い出横丁を歩いてみることにした。
横丁を入ると焼き鳥の煙が漂い、その上に歩けないほどの人、人、人である。
「思い出横丁」は通路が狭い。
狭い路地の両側の店も満員で、外国人観光客らしい人が大勢飲んでいる。焼き鳥を食べ、大声でなにか仲間と話し、楽しそうに見える。
ただ見に来ている観光客も多く、なかなか前に進まない。
幸いなのは、中国人観光客が見当たらいことである。
外国人が楽しそうに飲んでいた。
そんな中で、全くお客の入っていない店があった。
なぜなんだろう? 他の店はどこも満席なのに?
もしかしたらネットで悪口を書かれたのではないだろうかと同情してしまう。
西欧から日本に来て新宿の裏通りの小汚い店で酒を飲み、日本を理解したつもりで帰るのかもしれないが、それもまあいいだろう。
こちらの店では外国人のカップルが飲んでいた。
以前に値段表を見たら、そんなに安くはなかった覚えがある。