■ベトナムから驚きのメール
16年前に私の会社で働いてくれたベトナム人の実習生に、Hさんという男がいた。彼は帰国後、日本の中古の大型バイクを輸入・販売して成功した。
現在はホーチミン市郊外で油圧装置の製造販売を行っている。
この事業は私の会社で覚えた仕事で、その後も日本の関係会社に出張して来ている。
Hさんが日本で買った高級カメラで、ホーチミン市の夜景を撮って送って来た。(左は68階建てのビテクス・フィナンシャルタワー)
私がベトナムに行くという知らせを多くの知り合いのベトナム人にメール送信したら、そのHさんからメールが届いた。
「橋本社長、こんばんは、お元気ですか?もうそろそろベトナムへ再訪問なりますね! 私の工場来るの日はいつですか。もう一度教えてください」。
サイゴン橋の夜景。(Hさん撮影)
現時点での最高の「ランドマーク81」(81階建て・461.3メートル)
「また木を植える、今回ザボンではない。マンゴーです。メコン川方から有名なマンゴーです。来るの日はっきり決めて、メコン川からクレントラックでHCM市運ぶ、ピット(穴)入れ、木はちょと太いので、楽しいお願いします」とあり、マンゴーの木の写真が添付されていた。
その写真を見て驚いた。大き過ぎるのである。
Hさんが買ったマンゴーの大木。
ことの経緯はこうだ。
3年前に私がホーチミン市に行ったその時に丁度、Hさんの工場が完成した。それを記念して、Hさんは私にザボンの木の記念植樹をしてくれと言ったのである。
そこで私は工場まで出掛けて、小さなザボンの苗木を植えた。
Hさんが日本の提携先の会社で勉強した油圧装置。(Hさん撮影)
その後、今年になってHさんは日本にやって来た。
私は「あの記念植樹をしたザボンの木はどうなったか?、もう実を付けたか?」と聞いてみた。
Xさんは「あの木は枯れてしまいました。その理由は会社の前の道路をコンクリートにしたら、雨水が流れ込んで排水が出来ず、根腐れを起こしました」と言っていた。
そして、「次に来た時に、もう一度、記念植樹をして下さい」とも言っていたのである。
ホーチミン市南東100キロにあるVUN TAUの海(Hさん撮影)
今回のマンゴーの木は大木である。そこで「もっと小さい木にしてくれ」と返信をした。
それに対してHさんは「木を植える事、専門の人教えてくれた。HCM市内、小さい木を植える事はむずかしい。農薬とか栄養方、むずかしい。HCM人たちだいたい大木を植えるです。写真木を買いました、専門ところ置きて」とまた返信して来た。
4年前に顧問先の社長の家でご馳走になったベトナム料理。
そうなると仕方ない。
ホーチミン市に行った時に、Hさんの工場まで行ってマンゴーの大木を植えるしかない。なんだか予想外の大ごとになってしまった。
Hさんは私の会社で働いた経験が今の成功をもたらしたと信じているので、彼の申し出を断ることは可哀想だ。
大木なので、来年には実を付けるだろう。
VIN TAUの海で漁師が丸船で(Hさん撮影)
(おまけの話)
何回かのメールのやり取りで、思い掛けないお願いをされた。
それはカメラのレンズを、日本のネットのオークションで買って来て欲しいというのである。
オークションのサイトのURLも知らせて来て、そこにはNIKONのレンズが出品されていた。
彼の購入希望額は11万5000円までということだった。
Hさんがオークションで買いたかったNIKONのレンズ。
ベトナム人の収入が月額3万円くらいなのに、よくもこんな高い中古のレンズを買うなーと驚いた。
でも折角のHさんからのお願いなので、私はサイトからメンバー登録をした。
その時点では8万3000円が最高値だったので、それより1000円高く入札しておいた。そして締切間際まで価格をチェックして、彼の希望を叶えようとしたのである。寝る前に入札価格を確認した。
すると22時時点での価格は10万0999円になっていた。
私の好きなマンゴスチン(ホーチミン市の市場)
私が再度入札する前に、Hさんから着信があった。
「レンズ事、社長はオークションにお値段をまだですね。10時ごろ入礼予定ですね。まだしたら、やめてください。買わないでください、ベトナムで売るところ、見つかった、いい値段、すみませんでした!」とあった。
お騒がせのベトナムからのメールだったが、私は初めてヤフーオークションというものを経験出来たのは良かったと思っている。
翌朝、確認したら最終価格は11万9100円だった。
4月30日に行われたベトナムの平和記念日に、ホーチミン市の花火大会
(Hさん撮影)