■ベトナムに行く(3)・・・・Minh Long OUTLET
(6月15日−1) 今回の旅の最大の目的は、「Minh Long」(ミンロン)の OUTLETに行くことである。これでは何が何だか分からないと思う。
Minh Long というのはベトナムを代表する陶器会社で、欧米にも輸出をしている有名な会社である。
6年前に私が使っていた携帯電話を、M女史が預かってくれていた。
その会社がフランスの有名菓子メーカーからFEVE(フェーヴ)の注文を受けて製造していることが分かったのが、ベトナムに行く理由だった。
これでは、まだ分からないと思う。
私もFEVE(フェーヴ)なんてしばらく前は知らなかったのだし、日本人でも知っている人は相当なオタクか、フランス通である。
Minh Long OUTLET の入口のポットとカップの噴水。
FEVEというのは「幸せを運んで来る」と言い伝えられている2cmほどの小さな陶器製の人形のことで、 フランスでは公現祭(エピファニー)の時に食べるケーキの「ガレット・デ・ロワ」の中にフェーヴが隠されている。
日本でもお正月が近付くと、有名菓子メーカーがデパートなどで「ガレット・デ・ロワ」を売り出す。
ケースに入って陳列されているフランスの有名菓子メーカーのFEVE(非売品)
このケーキはアーモンド・クリーム味で、私はあまり好きではない。
女房と娘はケーキは殆ど食べない。
しかしこのケーキの中に1個の小さなフェーヴが隠されている。
そのFEVEを集めるのが女房と娘の趣味であるが、1年に1回の売り出しのケーキでFEVEを集めるのは至難の業である。
「訳あり品」の陶器が大量に売られていた。
ところが趣味はやっている人でないと分からない情報がある。
フランスや欧米の有名菓子メーカーは自社のオリジナルFEVEをベトナムのMinh Long に発注しているということが分かったのである。
そしてMinh Long のホーチミン工場には、なんとOUTLETがあり、FEVEを買えることが分かった。
あまりの大量のFEVEの数に驚くM女史。
そこで女房と娘がホーチミンにFEVEを買いに行くと言うので、そのガードマンとして私も行くことになったのである。そしてホーチミン市に到着の翌日の6月15日に私の顧問先の会社のM女史の案内で、会社の車を出してもらいMinh Long の工場に向かったのであった。
工場、商品販売店、レストラン、OUTLETのあるMinh Longは大きな建物だが、お客はあまり来ていない。入口に近い所に有名菓子メーカーのFEVEが、ガラスケースに入れられて飾ってある。
1枡に1000個は入っている。好きなFEVEをピンクの篭に取る。
(ひとつの大きさは2~3センチ)
我々は一番奥のOUTLETに直行し、FEVEのある場所に急ぐ。
その場所に来て驚いた。おそらく10万個を越すFEVEが木箱に雑に入れられて、整然と並んでいる。
しかしそこにあるFEVEは有名菓子メーカーのFEVEではなく、MINH Long のオリジナル製品のようで、作り過ぎたか、或いはあまり売れなくて残った製品ではないかと思う。
その山ほどのFEVEの中から女房と娘とM女史が、自分達の趣味に合うFEVEを選び出すのである。
下の方にあるFEVEは見えないし、取り出せない。
(おまけの話)
午前中の選び出し作業を終えて、ランチにする。
M女史が予約してあるというレストランに向かう。そのレストランに来て、私は思い出した。
6年前にソン社長とこのレストランに来て食事をした後に、ハンモックで昼寝をしたのである。
ここは4★のリゾート・レストランで、敷地の真ん中に大きな池があり、池の周りに茅葺屋根のレストランの部屋が並んでいる。
高級リゾート・レストランで食事をした。
食後はノンビリせずに、すぐにMinh Long に戻り、また選び出しを始める。物が小さいので、目が疲れる。しかも陶器なので、手が汚れて真っ黒になる。
そんなことはお構いなしに、2人は夢中で選び出しをしている。
良く見ると角が欠けた物もあるので、注意してそれは選ばないようにする。
同じジャンルのFEVEを揃えたセットのFEVEも売っているが、皿にボンドで張り付けてあるので、それは買わない。
時々、女房と娘から私に指示が出る。
「動物関係とパン関係を選んで!」と言われても、なにしろ大量の中から選ぶのだから、なかなか気に入ったFEVEに出会えない。
午後2時半になりOUTLETの係員から「今日は午後2時30分で終りです」と告げられた。
折角、遠く日本からやって来たのに、たったの3時間で終りとは!。
2人は名残惜しそうにしていた。
しかし幸運なことに、この続きがある。それは後日に・・・。
建物の一番奥では女性の職人が壺に絵付けをしていた。