■路地裏の魅力
路地裏という言葉を聞くと、なんとなく「怪しい」、「危険」、「入ってはいけない」などの思いがするのは、戦後の闇市の時代を知っている私だからかもしれない。
外国でもそれは同じで、猥雑で怪しいという点では、私の経験からも同じだろうと思う。でも、なぜか路地裏は魅力的でもある。
銀座6丁目の路地裏にはお洒落なバーがある。
銀座という日本一に地価が高い場所には珍しく、今でも路地裏がある。
でもこちらは怪しくないし、危険でもない。
表通りの華やかな場所ばかりが取り上げられていて、路地裏は見捨てられている。珍しもん好きの外国人観光客も、路地裏までは入って来ない。
銀座3丁目の路地裏は「喫煙禁止」。
私は銀座の路地裏が大好きで、今までにも何回も行っている。
銀座のどこかへ行った時にも、方向が合っていれば路地裏を抜けて行く。
路地裏は慣れた人でないと、気を付けていないと見落としてしまう。
ビルとビルの僅かな隙間に路地裏はあるので、みんな通り過ぎてしまう。
銀座5丁目の路地裏は綺麗に整備されている。
華やかな銀座通りから路地裏に入れる場所は、私の知る限り1ヵ所しかない。それは銀座2丁目の英国屋とティファニーの間にある。
人がすれ違えないほどの狭い路地で、殆どの人は気が付かない。
ここを抜けると裏の通りに出られるので、この辺りにお勤めの人だけが利用している。
銀座2丁目の路地裏は英国屋とティファニーの間にある。
銀座4丁目にも路地裏はある。
和光から数寄屋橋に向かい、2つ目の通りを右折する。
すると左側に登亭という鰻屋があり、そこを左に入る路地がある。
すぐ突き当たるので、右に曲がると銀座七福神にも入っている宝童稲荷神社がある。
全く境内が無い小さな神社だが、銀座の神社はこんなものが多い。
銀座4丁目の路地裏から見る宝童稲荷神社も、また路地裏にある。
銀座で路地裏が多いのは、銀座通りを4丁目から新橋方面に向かい右側である。銀座通りから1本入った通りは「すずらん通り」で、この通りともう1本、裏の通りである「西五番街」の間に路地裏が多い。
「すずらん通り」は8丁目で「金春通り」と名を変える。
「西五番街」は「見番通り」となる。
銀座5丁目の路地裏の釜めし屋「鳥ぎん」は美味しい。
面白い路地裏は金春通りで、金春湯を過ぎ、寿司屋の「久兵衛」を過ぎると左手に神社の入口がある。この狭い暗い路地を進むと突き当りの左側に、「豊岩稲荷神社」が現れる。もちろん境内は無く、暗くて良く見えない。
ここでお参りをして左折すると、場違いな自動ドアがある。
そこから入って右に行くと、銀座通りに出られる。
東京観光に来たら、試して欲しい。
銀座8丁目の路地裏の「豊岩稲荷神社」は暗くて賽銭箱がよく見えない。
(おまけの話)
我が家の近くにも路地裏が残っている。
しかし銀座の路地裏とは違い、昔懐かしい路地裏である。
こんな路地裏は、東京の下町にはいくらでもあったのだろうと思う。
勝どきの路地裏の長屋は、緑がいっぱい。
この路地裏の特徴は「通路が狭い」、「長屋」、「植木が多い」である。路地の両側にある建物は、みんな長屋で、「昔はこうだったんだー」と教えてくれる。
現在は貸家ではなく、それぞれが所有しているようである。
でも長屋であることは同じなので、建て替えがなかなか進まない。
時々、ここを遠慮しながら歩かせてもらう。
この路地は住民以外はあまり通らない。通る必要が無い路地なのである。でも私は長屋に住んだことは無いのだが、なんだか懐かしい気がして、ここを通る。
各家庭はプランターや植木鉢で花や木を植えていて、この辺りでは珍しく緑地帯になっている。勝どきの「都会のオアシス」である。
路地裏の入口にある八百屋は品物が新鮮だ。