■飛騨高山の旅(5)
(2016年10月10日) いよいよ10月9日から2日間の高山祭が始まった。
高山祭は春と秋の年に2回行われる。
春は町の南側の山王祭、秋は町の北側の八幡祭でそれぞれの山車が出る。両方で23台の山車があるが、秋の八幡祭には11台が出る。
軒先の蛇の目傘と提灯で祭がやって来た。
前日の8日の午後辺りから、町は観光客が増えて来たように感じる。
天麩羅屋のオヤジの話では「LCCが日本に来るようになり、スペイン、イタリアからのお客が非常に増えた」と言っていたが、確かに店では英語以外の言語が聞こえる。
山車蔵で出番を待つ山車。
9日の深夜に雨が屋根を叩く音で目が覚めた。
いつものように午前5時に起き出したら、相変わらず雨が降っている。
今回の旅の目的の大きなテーマが「宵祭の山車を撮影する」ことなので、祭が行われるかどうかが心配になって来た。
八幡宮の前で屋台曳き揃え。
山車は11台が出て、八幡宮を出た山車は市内の北側だけを曳き廻しする。天気が悪いと山車の曳き廻しは中止になる。
山車は豪華な飾りをしてあり、またカラクリは繊細な細工物なので雨には弱いからである。今までにも中止となったことがあるようだが、観光客は怒るがどうしようもない。
山車に施された彫刻は素晴らしい。
午前7時にいつものように、モーニング・サービスの喫茶店「ドン」に行く。コーヒーを飲んでいたら、急に雨脚が激しくなって来た。
「エー!、祭は中止か?」と思っていたら、8時30分に雨が上がり空が明るくなって来た。
それぞれの町内の山車蔵では、山車を神社に集合させる為の曳き揃えの準備が始まっている。
日が暮れて、提灯に火が入る。
とりあえずは八幡宮に行ってみる。
山車が何台か集合していて、観光客でごった返している。
昼間の内から夜の撮影ポイントを確認する。
どうやら下二之町通りにある、元建築家の骨董店の前辺りが良さそうと分かった。
山車が八幡宮からやって来た。(下二之通り)
暗くなって来たので現地に向かう。
骨董店の奥さんに事前に頼んであった脚立を借りて、山車が来るのを待つ。6時半を過ぎた頃から、続々と山車がやって来る。
なかなか見応えのある山車の巡行である。
今までに何回も高山に来ているが、この宵祭は初めて見たが一見の価値がある。
撮影場所もカメラも良いのだが、腕が伴わず、まあいつものような作品となった。
曳き手は15人くらい。
(おまけの話)
骨董店の前を11台の山車が通過して、国分寺通りに出て整列する。
これが見応えがあると言うのだが、そこは人で溢れ撮影など出来ないし歩くことも出来ない。
私の若い頃の中央線のラッシュアワーのような状況で、前後左右に人で挟まれている。
山車により曳き手の衣装は違う。
もう撮影は無理と諦めて、夕食を食べる店を探す。
前から目星を付けておいた店に行ったら、予約で満席だった。
今までに行ったことがある店にも行ったが、そこも予約でいっぱいだった。仕方ないので、レストランを探して町をうろつく。
11台の山車が続々とやって来る。
遂に最後まで私が入れる店は無かった。
店の方も1年に1回限りの稼ぎ時なので、フリーの単価の安い客はお断りなのだろう。
家に戻っても何も食べるものは無いので、仕方なくコンビニで稲荷寿司を買う。高山に来てまで「夕食難民」になるとは予想もしていなかった。
山車を正面から捉える。
骨董店の前のベストポイントだから撮影出来た。