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[2019.10.28]
■時間とお金の使い方 
 
「時は金なり」という諺があるが、これは現役の人だけに通用する。 
若い頃は「時間が有限」なんて考えたこともなかった。 
またお金は無かったが、「これから稼げば良い」と考えていた。 
 
それが引退してしまうと、考え方が全く変わって来るのだから私も分かっていなかった。しばらく前には時間は有限だから、「人生の終りは80歳」と決めていた。 
 
上野不忍池の素晴らしい蓮の花を毎年、無料で見せてもらえる。 


ところが80歳に近付いて来たが、今の調子だとどうも終りそうもない。困ったものだ。お金も80歳までと決めていたから、そのように使って来た。 
 
これが想定外にもっと長いとなると、ここらで考え直さないといけなくなった。「お金は使わない」が「時間は使う」となると、どうしたらいいのだろう? 
 
TOHOシネマ屋上庭園(ここからは日比谷公園、皇居が良く見える) 
 
 
そこで最近になり、そのことに付いて考えてみた。 
それは「お金を使わないで、時間を使う方法」で、毎日の行動をすることである。 
 
ただ「言うは易し、行うは難し」という言葉があるように、これがなかなか難しい。周りの先輩方を見て、具体的に自分なりの方法を考えてみた。 
 
深川不動尊。ここの護摩祈祷は火と太鼓のエンターテイメントだ。 
 
 
先ずは「出掛ける」。その時はシルバーパスが使える交通費の掛からない場所に行く。次に「どこに行くか?」を考える。これが難しい。 
 
頭に浮かぶ無料の場所を考える。頭に浮かんで来るのは、神社仏閣、公園、デパート、図書館、ビックカメラ、写真展、皇居、百円均一ショップなど色々とある。 
 
築地本願寺では毎月16日の朝は読経の後に、「朝がゆ」が無料で提供される。 
 
 
一方で家にいる時の時間の使い方は、最近になって良いものを見付けた。私は子供の頃から「字が下手」で、かなりの劣等感を持って生活して来た。 
 
「字が下手」=「勉強が出来ない」、「教養が無い」、「育ちが悪い」と他人から思われる。それなのに字が上手になる努力もして来なかったし、ペン習字を習いに行ったことも無い。 
 
皇居前では各国大使の交代の時には、儀装馬車で送迎が行なわれる。 
 
 
それが中央区の教養講座である「写経教室」に女房と一緒に行ってみて、一挙に目覚めた。母は生前に子供達に、よく言っていた。 
「なんでも始めるのに、遅いということは無い」。 
 
そんな母も夫を早く亡くしてから、色々と習い事を始めた。 
しかし遂に、彼女は最後までモノになったものは無かった。 
でも亡き母の言った「なんでも始めるのに、遅いということは無い」は今でも心に残っている。 
 
靖国神社の例大祭の時は、天皇陛下より御幣物が献じられる。 
 
 
さて、いつも交通費ナシ、入場料ナシのところばかりでは飽きる。 
私が行きたいと思うところは、大体において交通費が掛かり入場料が必要である。それを我慢してケチ臭いことばかりしていると、本当に人間性までがケチ臭くなってしまう。 
 
だから時々、家族を連れて旅行に行き、大盤振る舞いをしてしまい「元の木阿弥」となっている。そして今でも結局は、「時間とお金の使い方」が分からずにウロウロしている毎日である。 
 
百円均一ショップで買った写経の練習帳で初歩からやり直し。 
 
 
(おまけの話) 
私も年齢のせいか、体のアチコチに故障が起きるようになった。 
そんな時は、近くの聖路加国際病院に行くことが多い。 
 
ある時、病院で毎月第2金曜日に「お昼のコンサート」というイベントがあるのを知った。 
やっとその日と私の時間が合い、コンサートを聞きに行ったのである。 
 
聖路加国際病院に残されているトイスラーの住んだ家。 
 
 
病院の本館の2階の1室が「トイスラー・ホール」になっていて、そこでコンサートが行われる。「トイスラー」というのは人名で、聖路加国際病院の創立者の名前である。 
 
12時から始まるコンサートには、50名くらいの人達が来ていた。 
プログラムによると、2時間の間に16人の音楽家が登場する。 
なんとも贅沢だ。 
 
米国人宣教師のトイスラーの碑と、聖人「ルカ」の立像。 
「聖ルカ」を漢字の「聖路加」に当てた。 
 
 
音楽はピアノ、ヴォーカル、サックス、弾き語り、尺八、合唱と色々なメンバーが入れ替わり立ち代り登場する。みんな素人ではないように思う。 
 
私の推測では音楽大学を卒業し、プロにはなれなかったが、今でも音楽を愛して続けている人の発表の場ではないか? 
みんな1曲か2曲で入れ替わるので、飽きない。 
 
こんな素晴らしいコンサートを2時間も無料で聞かせてもらえる場所を発見して、これは「お金と時間の使い方」の最高の出会いだった。 
 
聖路加国際病院の教会の塔。  我が家の窓から見える夜の教会の十字架。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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