■岩手県の秘湯巡り(1日目)・・・夏湯温泉
誰でも「たまには1人になりたい」と思う時があるだろう。
私も例外ではなく、かなりの頻度で「どこかに1人で行きたいなー」と思う時がある。
そんな時は、温泉好きの私は秘湯に行きたい。
そこで今回はネットで探した岩手県の秘湯に、1人で2泊3日の旅に出た。
旅館部から自炊部を見る(この先に露天風呂がいくつもある)
紅葉には少し遅いと思ったが、書き入れ時に1人で泊れる温泉宿は少ないので仕方ない。10月28日に東北新幹線で「北上駅」で降りる。
所要時間は2時間38分である。
1泊目は北上市和賀町の「夏油(げとう)温泉」である。
ここへ行くための公共交通機関は無いので、宿泊予定の「元湯夏油」から迎えのマイクロバスが来て宿まで50分である。
今年の紅葉は10日遅れで、私が行った時が見頃だった。
「夏油温泉」は1160年ほど前に発見されたので、歴史は古い。
この旅館「元湯夏油」の創業は80年前で、昔ながらの自炊の湯治場から始まった。
今では自炊部と旅館部があるが、私は自炊は出来ないので旅館部に泊まったが、雰囲気は自炊部の方が風情があり遥かに良い。
夏油川から見える露天風呂。(手前が疝気の湯、奥が大湯)
肝心の温泉であるが、泉質はナトリウム・カルシウム塩化物質泉である。更に営業期間が5月初旬から11月初旬までと短いので、なかなか行けないのである。
この温泉の売り物は、7ヶ所もある源泉の1ヵ所である露天の「大湯」である。そこへは玄関から100メートル以上も歩く。
途中から石段となり河原に降りる。
夜8時頃に、また大湯に入りに行った。
この温泉宿は1ヶ所を除き全て男女混浴で、女性でもテレビで見るようなタオルは禁止である。入口は男女は別々だが、中に入れば一緒になる。
私は「大湯」で浴衣を脱いで、簾を上げて風呂場に行った。
そして「ギョッ!」となった。
湯船には誰もいない。
浴槽の外の夏油川側にジイサンが2人で湯船を背にして川の方を見ていた。
石段の下に「大湯」が見える。
ところが浴槽の反対側に、なんと!、若い女性が浴槽の外で全裸で片膝を立てて、遠くを見ている。
横顔と体から判断して、年のころは30歳後半から40歳代か?
もの凄い美人である。
私は「見てはいけないものを見てしまった」ように感じた。
見たいのだがとてもまともに見ることは出来ず、静かに岩造りの浴槽に身を沈めた。
夏油川の橋を渡った向こう側に「目の湯」が見える。
知らずに入ったが、この「大湯」は温度が45度くらいもある。
火傷しそうだ。でも我慢する。
ジジイ達と若い女性が浴槽の外に出ていた理由が分かった。
私は1分も入っていられず、外に出た。
でも場所が無く、そうかといって女性の横に行くわけにもいかない。仕方なく、河原にある温い源泉「疝気の湯」に行ったが、いつまでもあの女性のことが気になって困った。
「目の湯」から「大湯」を見る。
(おまけの話)
以前からの話だが、友人が「腰が痛い」と言っていたのを笑っていた。
ところが、最近になり私が腰痛になってしまった。
病院に行けば先生から「加齢です」と言われるのが分かっているので、まだ病院には行っていない。
1人で「年には勝てないのかなー」と落ち込んでいる。
今回の秘湯は「天然掛け流し温泉」なので、腰痛に効くのではないかと期待して来た。
「洞窟蒸風呂」は今は立ち入り禁止。
右に「蛇の湯の滝」が見える。
夏湯温泉に来てビックリした。温泉の数が多く、全て源泉が違うのである。「大湯」、「滝の湯」、「疝気の湯」、「真湯」、「女目の湯」、「白猿の湯」、「小天狗の湯」と7か所もある。
この中で「滝の湯」だけが女性専用である。
「白猿の湯」は男女別々の浴槽があるが、その他の5ヶ所は混浴である。
夏油温泉旅館「元湯」の前の紅葉。
混浴の思い出である。学生時代に友人と東北の温泉宿に泊まった時に、風呂に行ったらガラガラで、ゆったりと温泉を楽しんでいた。
そこへ地元のオバサン達がドヤドヤと入って来た。
そうしたら湯船からお湯が大量に溢れて、湯船の縁に置いた私のタオルが、あれよあれよという間に排水溝へ流れて行ってしまった。
その頃の私は純情だったので、前を隠すタオルが無いので出るに出られなくなった。遂にノボセてしまい我慢できず、私はコソコソと風呂から出た思い出がある。
夏油川と紅葉。