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[2020.01.13]
■Behind THE COVE
(2018年1月24日) 
 
以前に和歌山県太子町のイルカの追い込み漁を扱った「THE COVE 」というドキュメンタリー映画があった。私はこの映画を見たが、アメリカ人監督は「イルカ漁は残酷だ」と考え、シーシェパードとも協力して作られた画像はプロパガンダのような気がして気分が良くなかった。 
 
この映画は撮影方法に問題があり、立入禁止区域に入ったり、隠し撮りがあったり、漁民のインタビューを捻じ曲げたりとかなり問題のあった作品である。 
 
「THE COVE 」・・・★★ 


しかも、この映画は2010年の第82回の長編ドキュメンタリー部門でアカデミー賞を受賞したので腹が立つ。これに反発して日本の女性監督が、2015年に「Behind THE COVE 」というドキュメンタリー映画を撮影した。 
 
この映画は「THE COVE 」で描かれているアメリカ人の視点ではなく、日本の伝統、食文化、外国の捕鯨反対の背後にある思想などを描いていて反響を呼んだ。しかし東京では大きな映画館では上映されなかったので、私は上映期間中に見に行けなかったのが心残りだった。 
 
「Behind “THE COVE”」・・・★★★ 
 
 
次に同じテーマで作られたのが「おクジラさま」であり、私は渋谷の小さな映画館に見に行った。 
こちらは2017年の作品で、同じく和歌山県太子町のイルカ漁のドキュメンタリーである。 
 
映画は女性監督で、アメリカ人男性がイルカ漁で生計を立てている漁師、賛成派、反対派の取材を通してイルカ漁を考えるというテーマになっている。 割合いに偏らずにイルカ問題を描いていた。 
 
「おクジラさま」・・・★★★ 
 
 
クジラは子供の頃には学校給食にも出たし、私の大学生の頃には学食で文化丼と称してクジラ肉を使ったかつ丼を食べていた。肉質は割合にサッパリしていて、少し硬いが美味しかった覚えがある。 
 
イルカというのは「可愛いから食べちゃいけない」と思われているが、実はイルカはクジラなのである。日本では体長が4メートル以下をイルカと呼んでいて、それ以上はクジラなのである。 
 
私には「食べて良い動物と、食べてはいけない動物は誰が決める権利があるの?」という素朴な疑問がある。 
 
地下鉄・南北線「東大前駅」 
 
 
インターネットの「虎ノ門ニュース」を見ていたら、ドキュメンタリー映画の「Behind THE COVE 」の映写会の案内をしていた。1月22日に東京大学本郷校舎の中島記念ホールで映写会があると分かり、女房と2人で出掛る予定でいたら、思いがけずその日は大雪だった。 
 
女房は雪で転んでもいけないと思い、私だけが行くことになった。 
東京に大雪が降るのは珍しい。映画が始まる午後4時~6時頃が雪のピークだった。 
 
東大「赤門」を校内から見る。(1月19日の晴れの日と、1月22日の雪の日) 
 
 
映画会場の中島記念ホールというのは、東大を卒業したキューピーマヨネーズの創業者が寄付したホールだった。 
ホールは96人収容のこじんまりしたもので、満員御礼かと思ったら、大雪のせいで30名ほどの入りだった。 
 
映画の内容は「THE COVE 」の偏見に満ちた編集に対してインタビューが中心で、賛成派、反対派の双方の話を映像で見せている。驚いたのは反対派のシーシェパードの代表は「私はベジタリアンだ。全ての動物を食べる人に反対だ」と言っている。 
それにしちゃ、牛・豚・鶏を食べるアメリカで反対運動をしていない。 
 
法文2号館の中を通り抜ける通路にあるアーチ状の空間が美しい。 
 
 
映画が終ってから、東大教授と八木監督との質疑応答があった。 
それによると、この映画は日本より海外での評価が高く、海外大手のメディアで取り上げられたそうだ。 
 
その影響もあってシーシェパードには寄付金が集まらなくなり、和歌山県太地町に反対運動に来るメンバーの費用の捻出が出来なくなっているそうだ。 
 
どうやらクジラの問題は純粋な反対運動ではなく、アメリカ、イギリス、オーストラリアの政治的なプロパガンダになっているようである。 
その証拠に、今でもアメリカは宇宙開発の技術に内緒でクジラの油を使っている。この問題は奥が深く、「どの動物を食べていいのかを、誰が決めるのか?」に行き着く。  
 
全共闘が立て籠もった安田講堂は今は静かだ。 
 
 
 
(おまけの話) 
「Behind THE COVE 」の映写会であるが、1月22日に東京大学本郷校舎で行われると知った。そこで虎ノ門ニュースに出ていた問合せ番号に電話してみた。 
電話番号が「090」から始まるので、「エー!なんか変だ」と思ったが、呼び出し音は聞こえるが相手が出ない。 
 
そこで、この映画の制作事務所である「八木フィルム」にメールで問い合わせをしておいた。問い合わせ内容は「料金」と「申し込み方法」だった。 
 
東大・農学部入口。この奥に中島記念ホールがある。 
 
 
翌日になり携帯電話が鳴った。液晶画面を見たら、登録されていない番号だった。しかし画面に「折り返し」と出ていたので、私が電話した相手からと分かり、とりあえず出てみた。 
 
すると「八木です」と女性の声がした。それは私が前日に電話した問合せ先の電話番号だった。八木という名前と女性の声というところから、「Behind THE COVE 」の八木恵子監督だと分かった。 
 
少しうろたえる。私は長く人生をやって来たが、映画監督から電話をもらったのは初めてだった。 
 
キューピーマヨネーズの創業者が寄贈した「中島董一郎記念ホール」。 
 
 
彼女は「申込みは不要で、直接、現地に来て下さい。料金は無料です」と言った。私は事務所へのメールで『THE COVE も「おクジラさま」も見ました』と書いておいたので、彼女から質問があった。 
 
「おクジラさま映画 の感想は?」と聞かれて困った。もう見たのは大分前のことで、覚えていないからだ。仕方ないので「もう少し深掘りした方が良かった」と口から出まかせを言ってしまった。 
 
彼女にしてみれば「ライバルの映画」になるので、気になったのだろうと思う。突然、思い掛けない人から、思い掛けない質問が出ると、人は「うろたえる」のである。 
 
有名な「忠犬ハチ公」は、東大農学部の上野英三郎教授の飼い犬で、博士が亡くなった後も10年間もハチ公は博士を渋谷駅に迎えに行った。 
この銅像は東大農学部の校門を入った左側にある。今は渋谷駅のハチ公ばかりが有名になっている。 
 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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