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[2020.01.18]
■古典芸能を楽しむ
 
「敬老」とか「老人クラブ」などというものは、私には関係無いと思っていた。 
 
友人のYさんは老人会の会長をやっているから、こんなことを書くと怒られるかもしれないと思い、内心はヒヤヒヤしているのである。 
ところがひょんなことから、中央区勝どきの「敬老館」に行った。 
 
築地敬老館の「新春のつどい」会場。 


中央区の1月の区報に「令和2年新春の集い」というお知らせがあり、その内容に興味を惹かれたのである。 
そこには「大神楽」、「紙切り」、「落語」をやると書いてあった。 
 
たまたまその少し前にテレビで「紙切り」を見て、その技に驚いたばかりだったのでこの機会に「見たい!」と思ったのである。 
 
通路の両側に色々な部屋がある。廊下には電動マッサージ機もある。 
 
 
1月17日の1時30分から始まる予定だったので、1時に敬老館に行った。 
 
初めてのことで何も分らずウロウロしていたら、係の人が親切に利用方法を教えてくれ、更に「いきき館利用者証」というカードを作ってくれた。これで私もすっかり中央区の「敬老者」になってしまった。 
 
囲碁・将棋室。 
 
 
「敬老館」というところはどうなっているのか興味があるので、館内を見て廻った。館内は床暖房で、通路に沿って舞台と会場、トイレ、囲碁・将棋室、テレビ・読書室、突き当りは男女の風呂、そしてネットに接続しているパソコンが4台も揃えてあった。 
 
お茶と水のサーバーも2台もあり、至れり尽くせりである。 
中央区は高齢者に優し過ぎる。 
 
男女別の風呂場入口(入浴料は無料) 
 
 
風呂の係のオバサンに聞いてみた。 
私「利用料はいくらですか?」 
係「無料です」 
私「どんな人が利用していますか?」 
係「高齢者は自宅に風呂があっても、ここに来ます。その理由は風呂掃除が大変、風呂場で転んだら危険、無料で家計が助かる、が大きな理由です」。 
 
またも私は知らない敬老の世界を覗き見たのである。 
 
古典芸能の会場(開始時間には満席になった) 
 
 
午後1時30分から演芸が始まった。会場は50人くらいの観客で、90%以上が高齢女性だった。 
私は早く行ったので一番前の席で、小さな舞台から1メートルの距離だった。 
 
最初は「獅子舞」で、これほど本格的な獅子舞を目の前で見たのは初めてだった。次に傘回しが出て来た。なんか懐かしい。 
しかも目の前で行う。最近のせわしない芸とは違い、「ゆるい」感じで気持ちが癒される。 
 
舞台の上に机を置き、その上を赤い布で覆って、俄か演芸場とした。 
 
 
その次は紙切りで、お客のリクエストで色々なものを切り取りお客にプレゼントする。その腕前にただただ感心する。 
馬を切り取ったので、私は「午年なんです」と言って切り抜いた馬をもらった。 
 
次に81歳という金原亭伯楽が出て来て、落語を演じた。 
2時間に亘る古典芸能だったが、私は最近の煩い漫才より、この方が好きだ。 
 
自分では気が付かず「まだまだ」と思っていたが、どうやら自分では嫌だが敬老館が似合って来ているようだ。 
 
紙切りで作った馬をもらった。 
 
 
(おまけの話) 
毎月16日は早朝より築地本願寺で行われる読経に参加することが多い。 
その時に同じマンションに住むXさんも、門徒じゃないが参加している。 
 
朝一番の都バスで築地6丁目のバス停で降りて、信号を渡り反対側の歩道を歩く。私の右側を歩いていたXさんがよろけたと思ったら、前につんのめった。 
 
築地本願寺本堂。 
 
 
そして顔からコンクリートの地面に倒れ込んだのである。 
慌てた私はXさんを抱き起こしたが、眼鏡は飛び、口の横と指から出血をしていた。 
 
彼は昨年もマンションの前で転び、両手首を骨折した過去がある。 
「大丈夫か?」の私の問いに、「大丈夫」と答えたが、大丈夫そうではなかった。それでも家には戻らずに、本願寺に向かった。 
 
16日の早朝読経を行う若い僧侶たち。 
 
 
早朝参拝を済ませ、朝粥を頂きカフェでお茶をした。 
その時に彼の顔をよく見たら、眼鏡の片側のレンズが「すりガラス」になっていた。倒れた時に眼鏡が地面と接触し、擦れたらしい。 
 
その曇りガラスの眼鏡を掛けた Xさんを見て、気の毒だが笑ってしまった。彼はいつも引きずるように歩くので以前から私が注意していたのに、役立たなかった。 
 
読経が終ると、別室で参拝者に朝粥が振舞われる。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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