■節分に「チョコレート・ラーメン」
ここまで生きると、「生まれて初めて」ということがほとんど無くなる。特に食べ物に関してはそう思うが、今回は「初めて食べた」話である。
私は基本的には「ゲテモノ」は食べない主義である。
だから酒飲みには堪らないホヤやナマコなどは、見た目からも私にすればゲテモノだ。
幸楽苑のホームページから。
ゲテモノとまでは言わないが、珍しいものではワニ(アメリカ)、カンガルー(オーストラリア)、エルフ(カナダ)、犬(中国)、孵り掛けたアヒルの卵(ベトナム)、そして日本では馬、熊、イノシシ、鹿、キジを食べたことがある。
しかし私は古風なのか、臓物は食べない。
焼き鳥になって出て来ても食べない。だから「もつ鍋」を食べている人を見ると、気持ちが悪くなる。
「幸楽苑」六本木店。
2月3日に、かなり変ったラーメンを食べた。
これもTV情報で、ラーメン・チェーン店の「幸楽苑」がバレンタインの期間だけの限定企画で、なんと「チョコレート・ラーメン」を提供していると報じていた。
私はラーメンは嫌いじゃないが、豚骨ラーメンは苦手なので最近はあまりラーメンを食べる機会が無かった。
私の好きな普通のラーメン(440円)
さてチョコレート・ラーメンである。
幸楽苑は我が家の近くには無い。日本橋か六本木に行かないと食べられない。今回は六本木店に行ってみた。
でも、どう考えてもチョコレートとラーメンは合わない。
チョコレートもラーメンも私は好きだが、一緒になったものが想像出来ない。
私の座ったカウンター席のテーブルは派手な広告だった。
店に入るとサラリーマンらしき人が多いが、見たところチョコレート・ラーメンを食べている人は見当たらない。私は勇気を出して「チョコレート・ラーメン」を注文した。
メニューを見たら640円で、他の料理と比べるとかなり高い。
しばらくして運ばれて来たチョコレート・ラーメンを食べた感想である。
出て来たラーメンはチョコレート色だった(640円・税込み)
オマケのチョコレートが付いて来た(左側)
スープが茶色くチョコレート色で、板チョコの小さいのが麺の上に1つ乗っている。先ずは「見ただけで、食欲が失せる」。
香りは少しカカオの匂いがする。ソバを食べてみたら、特に違和感は無い。スープを飲むとほぼ中華スープで、特に甘くはない。
ところが、喉を過ぎるとカカオの揺り戻しがある。
頑張って、麺だけは全部食べた。
隣のサラリーマン風の男が横目で、チョロチョロと私の方を見ている。
麺は全部、食べたが、スープは残した。とても全部は飲めない。
「もう一度、食べるか?」と聞かれたら、「もういい。1回で充分」と答えるだろう。
やはりチョコレート・ラーメンはゲテモノだった。
ホワイトチョコレート・ラーメンというのもあるようだが、それを試す気にはならない。
食後に精神を正常に戻すために東京ミッドタウンに行き、アイス・スケートを見た。
(おまけの話)
2月3日にチョコレート・ラーメンを食べに行った日は、「節分」の日だった。
そこで「節分と言えば、豆まき」という連想で、六本木で神社と言えば「乃木神社」なので、10分ほどの距離を歩いて神社に行った。
この神社は日露戦争で大活躍した、乃木希典大将を祀っている。
乃木神社を入ると、いきなり酒樽が飾ってあった。
(ここで子供達が記念撮影をする)。
最近の豆まきは衛生面を考えて、袋に入った豆やお菓子を撒くので情緒に欠ける。午後3時25分になり、神主が約100人の参拝者に案内放送をして、希望者全員が本殿に入る。事情が分からないままに、私も続いて入る。
神殿の間近で、5人の神主の行う厳かな神事を見る。今まで色々な神社の節分祭に行ったことがあるが、これは初めての経験だった。
節分は神事だということを再確認した。
本殿の赤絨毯の向こうまで入り、その奥の神殿の神事を見る。
(撮影禁止)
約20分の神事が終り全員が境内に出たところで、社務所の2階から豆まきが始まった。乃木神社はどうかと言えば、ここもやはり袋入りの豆であった。都内の有名神社と違い予算の関係もあるのか、芸能人や横綱などは来ていない。
私は写真を撮るのに忙しく、豆は拾えなかった。
その夜は家でテレビに向って「福は内、鬼は外」と豆を投げたら、猫が逃げまどっていた。
神主と巫女と役員らしき男が豆を撒く。