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[2020.03.21]
■お彼岸ってなんだろう?  
 
3月と言えば、お彼岸である。 
それは日本人のDNAに刷り込まれている文化である。今まで大して疑問にも思わずに「お彼岸」と言っていたが、「お彼岸ってなんだろう?」と改めて考えたが、「墓参りに行く時期」くらいで実は詳しくは知らなかった。 
 
そんな時に私の菩提寺の築地本願寺から送られて来た小雑誌に「お彼岸ってなんだろう?」という記事があった。 
 
築地本願寺の門徒に送られて来る月刊小雑誌「TSUKIJI」。 


それによると、「彼岸とは、悟りの境地のことです。それに対して、私達がいまいる世界は此岸(しがん)と呼ばれます。悟りの境地に到達することを、対岸に渡ることに例えて、このように表現しています」とあった。 
 
まだまだ私の知識不足はあるようだ。 
「お彼岸には父母の墓参りに行かなくてはなー」とは思っているのだが、父母の墓は遠いので、つい億劫になってしまう親不孝者である。 
 
「お彼岸ってなんだろう?」のページ。 
 
 
それに私はいい加減だから、都内に引っ越して来てから宗派を越えて築地本願寺に墓を買った。今までもあまり宗教を信じる生活をして来なかったし、これからもそうだろう。 
 
私は母方の祖父母は知らない。祖父はスペイン風邪で、若くして亡くなったそうだ。祖母もその後、早く亡くなってしまった。 
だから私の母は叔母に育てられたらしい。 
 
築地本願寺パノラマ全景。 
 
 
私の父は56歳で亡くなったので、かなり若死にである。 
母は86歳まで生きて、長寿を全うした。 
そんなことからか、私は「死んだら終り」という考えが強い。 
 
そして宗教に頼らずに自信過剰気味に人生をやって来た。それでも日本人の生活には仏教の影響を受けた習慣が数多くあり、それ自体は「良い」と思っている。 
 
手水舎から本堂を見る。 
 
 
引退して暇な時間が出来たせいか、宗教に興味が沸いて来た。 
「信心する」というのとは違い、宗教施設が好きになったのである。 
東京にも多くの宗教施設があるので、色々な場所に出掛けている。 
 
私は「神も仏」もどちらも興味があり、そこへ行った時はお賽銭を入れて、頼み事をしてしまう。大した頼み事は無いので、「健康」、「家内安全」くらいで、「長寿」はお願いしない。 
 
本願寺の掲示板。 
「出会いは人生を豊かにし、別れは人生を深くする」 
 
 
築地本願寺に行くと、いつも誰か信者が本堂で法要をしている。 
私はそれを見ながら、僧侶の読経の時に亡くなった父母に感謝する。 
 
今年のお彼岸も、なんとなく墓参りに行かずに、築地本願寺で勝手に済ませてしまった。私は「墓参りして骨壺を拝むより、いつも心の中で祈っている方が良い」と、勝手に決めている。 
 
本堂で「春季彼岸会」の読経が始まった。(3月17日) 
 
 
3月17日から23日までの間を築地本願寺では「春季彼岸会」を開催した。私は父母の墓参りをしないので、手近な築地本願寺で済まそうと考えた。しかも両親は禅宗なので、築地本願寺の浄土真宗では正式な法事は行えない。 
 
だから本堂で他人の法事の読経を聞きながら、心の中で1人で父母の法事を行った。こんないい加減な息子を、あの世の父母は許してくれるか? 
 
毎月16日の早朝の「朝粥」は、4月からはしばらく中止となってしまった。 
 
 
(おまけの話) 
毎月16日は築地本願寺では、「しんらんさまの日」となっている。 
この日は私は気が向けば、午前7時の読経に参加し、それに続きその後の「朝粥」が楽しみになっていた。 
 
ところが、今回の3月16日で「朝粥」は中止となるようだ。 
その理由は発表していないので分らないが、政府の「働き方改革」が関係しているのだろう。 
 
京都・西本願寺(令和2年2月16日) 
 
 
今年になりT子さんが、築地本願寺の合同墓を購入した。 
彼女は1人住いなので、自分の終末に付いて考えるようになったらしい。墓を買ったら時期を同じくして朝粥が中止となり、彼女は腹立たしく思っている。 
 
そして合同墓の購入時の担当の僧侶に「有料でもいいから、朝粥を続けてくれ」と無茶なことを言っていた。 
彼女は「正式門徒」になった途端に強気になった。 
 
京都・西本願寺の本堂(令和2年2月16日) 
 
 
ところが新型コロナウィルスの影響で、築地本願寺は次のようなお知らせを送って来た。 
 
【2月27日に政府から発表されました学校への臨時休校の要請に準じまして、感染症の予防と拡散防止のため、2月28日から3月31日までに開催予定の「KOKOROアカデミー・TSUKIJIアカデミー・よろず僧談」など、倶楽部会員を対象といたしました行事の全てを中止とさせて頂きます】。 
 
参ったなー。暇を持て余している私の行く場所が、次々と無くなって来ている。 
 
京都・西本願寺の広い廊下(令和2年2月16日)  
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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