■芸術家の弟子
昨年の伊達滞在を終えて東京に戻った頃だと思うが、伊達市大滝地区に住んでいる漆器作家の府川晃さんからメールが届いた。 府川さんは私が伊達に行くようになって2年目くらいに知り合い、大滝の彼の工房を訪ねて話を聞いたことがある。
そして、彼の製作した漆器を2点ほど購入したという経緯がある。
私の購入した府川さんの作品(1)
私のその時の印象では、府川さんはインターネットからは一番距離の遠いところにいる人だと思えた。
だから突然、メールが届いた時は驚いた。
伊達に居る時は私も忙しくて、なかなか大滝までは行けない。たまに市内で出会うことがあるくらいだった。
それでも大雄寺で開催した『仏像 in 伊達』には夫婦で来てくれて、私の作品の評価もしてくれた府川さんは本物の芸術家である。
府川さんの作品(2)
彼は今はパソコンをマスターしようとして一生懸命である。
そんな理由からか、最近はメールが来ることが多くなった。
それでもそのメールは技術面で色々と問題があるので、その都度、私は指摘している。
芸術家は気難しい人が多いので、私が間違えを指摘すると怒るのではないかと思い、最初は恐る恐るの指摘だった。
府川さんの作品で汁粉を食べる
ところが彼は、『パソコンのメールをただ便利だけではいけませんよね。これからもお気づきになられたことご指摘ください。手が掛るとお思いでしょうが宜しくお願い致します』と、かなり素直なのである。
それ以来、本物の芸術家が私のパソコンの弟子となったのである。
(おまけの話)
お正月は府川さんの作品の漆器でお雑煮を食べた。
汁物はやはり本物の漆器だと味が違うように思う。
私の女房は長年にわたり懐石料理の先生をしていたので、我が家には和風の食器が沢山ある。
中には高価な物もあるようだが、私はどれが高いのか判らない。
私の好きな我が家の漆器
府川さんの作品で私の持っている漆器は厚手で、持つとシッカリした感触が手に伝わる。
女房がお汁粉を作ってくれたので、その器に入れて食べた。薄い漆器は味噌汁にはいいが、お汁粉は厚手の漆器の方が良い。
ベトナムから一時帰国したH子さんが故郷の郡山から懐中汁粉をお土産に持って来てくれたが、お汁粉も本物の方が良い。
お土産の懐中汁粉
もしかして、懐中汁粉というのは日本で一番古いインスタント食品かもしれない。