■丘の夕景
晩秋から初冬にかけて見晴らしの丘を歩くと、木々の葉が落ちて枝の先々までが見通せる。遠くの丘にはからまつの並木が見える。時によって場所は異なるのだが、ゆるい傾斜の畑では、秋まき小麦の葉が少し伸びて緑の草原を作っていることがある。
噴火湾の向こう側、渡島半島の山並みの上にだんだんと陽が落ちていく。地に接するあたりがピンクといっていいような赤色やオレンジ色に染まり、上空の雲にもその色が反映される。さらに上空はまだ青さが残る。色の変化する時間は早い。色合いは濃くなって、だんだんと暗さが増してくる。
時間によっては、有珠山や昭和新山の山の面が淡く赤く染まっている頃に丘の上を歩くことがある。日中とはまた違った表情を見せてくれる。
ことしの正月は穏やかに過ぎた。冬至から20日ほど経ったこの頃は、夕方の陽が伸びてきたことを感ずる。16:40を過ぎてもほの明るい。冬の真っただ中であるが季節は確実に進んでいることを感ずる。
夕焼けの時は短いのだが、きれいな空の色に気づいて、カーテンを開けて夫婦で見ているときがある。
(2017-1-9記)