■少年時代の思い出
伊達紋別駅はなぜか侘しい。 友人達が列車で来ると、駅に迎えに行く。
改札口を出た友人達は、『こんなことろにいるの?』と少々バカにしたような口ぶりになる。
それほどローカルな駅なのである。
室蘭本線は岩見沢から長万部まで通じている路線で、その先は函館を経由して東京まで行ける。
旅行者が乗るスーパー北斗は快適なのだが、地元民が乗る普通列車は子供時代を思い起こさせてくれるような代物だ。
北船岡駅(室蘭本線)
東京生まれで東京育ちの私が、本当にそんな経験をしたことがあるのかどうかも定かではないが、1両編成のローカル列車が来ると懐かしく、そして嬉しくなる。
そんな感動を味わいたくて、時々、伊達紋別駅の隣の駅である北舟岡駅に行く。
この駅は無人駅で、列車も1時間に1本くらいしか停まらない。
レールの間に咲く花
誰もいないので、私はプラットホームに入り込んで楽しむ。
海が駅のすぐ脇まで迫っている。
レールの間には可憐な花が咲いている。
自分の少年時代に返って、レールに耳を押し付けてみる。
遠くでガッタンゴットンと列車の来る音が聞こえたような気がしたが、それは年のせいで空耳かもしれない。
北船岡駅のレール(レールに耳を当てる)
スーパー北斗が室蘭の方からやって来た。
当然のように私と北舟岡駅を無視して通り過ぎる。
そうやって過ごす時間は、なんとも楽しい。
田舎の時間の過ごし方というのは、こういうものなのかもしれない。
時刻表
(おまけの話)
今までに外国で色々な鉄道に乗ったことがある。
昔の台湾の鉄道では列車の中で弁当売りが来る。
ところがその弁当だが、アルミの弁当箱で、明らかに使い回しで、食べ終って底を見たら、箸で引っ掻いた傷だらけであった。
アメリカの鉄道でシカゴから田舎に行った時のことである。
降りる駅になったら車掌が知らせてくれたのはいいが、そこは畑の中で駅名を書いたプレートがあるだけで、プラットホームは無い。
そこで降ろされて列車が去って行った時は、心細かったなー。
波に近い北船岡駅
ウィーンからブタペストへ行く列車では、コンパートメントに入った。そこへ若いお母さんが乳飲み子を連れて来たのはいいが、いきなりオッパイを出したのには驚いた。
なんだか居づらくて、私は外へ出た。
まだまだ色々あるが、またの機会に・・・。