■捕らぬ狸の皮算用
7月16日に私の同級生を『噴火湾文化研究所に案内した話』は以前に書いたことがある。 その時に、研究所の隣の畑で農家のSさんがレタスの植え付けをしていたので、少しだけ話をした。
Sさんは、『本州が豪雨でレタス産地が被害を受けて全滅しているので、これから暫く経つと、植え付けをしているこのレタスの値段が暴騰すると思うよ』と、嬉しそうに話していた。
その時の話はそれっきり忘れていた。
レタスの植え付け(7月16日)
8月3日の朝にSさんから電話があった。
『伊達産の美味しい米が手に入ったので、取りに来ませんか?』。 この話は嬉しい。
日本人はなんと言っても、やはり米である。
そこで、その日のお昼に米をもらいに行くことにした。
電話出演のSさん
話には続きがあり、その日にSさんがラジオに出演すると言う。
放送は西胆振地方を網羅している「FMびゅう」の番組で、ラジオ局から電話でSさんにインタビューするというのである。
インタビューの時間に合わせて私はSさんの家に行った。
まだ始ってもいないのに、その前からSさんは緊張気味であった。
峠のやおや(農家の野菜直売所)
午後1時丁度に放送局から電話があり、Sさんは電話で伊達警察署の先の国道沿いに新しくオープンしたばかりの「峠のやおや」に付いて説明をしている。
15分間という出演中も、Sさんは緊張しながらも嬉しそうだった。
Sさんは農家のオヤジにしては、なかなか「イイ男」なので、ラジオよりテレビが向いている。特に笑顔が良い。
次回はどこかのテレビ局から取材が来ないかなー。
このレタスは2週間後に高値が付くか?
(おまけの話)
「その後、あの時に植え付けたレタスはどうなったか?」が気になりSさんに聞いてみた。
きっとレタスの値段が暴騰し、ニコニコしている筈と思ったのである。
ところが、意外や意外!
Sさんの話、『そうなる筈だったのだが、その後に伊達も天気の悪い日が続き、その後にカンカン照りが続き、あの時に植え付けたレタスは腐ったり日焼けしてしまい、予想していたようにはならなかった。
価格は上がっているのだが、出荷できるレタスが無い』と言う。
天候不順にやられて腐ったレタス
そして、『俺は金には縁が無いんだなー』と笑いながら話している。顔を見たら、笑顔の奥で達観しているのが分かる。
これを『捕らぬ狸の皮算用』と言う。
これは例えて言えば、「宝くじの当り券をどこかに落としてしまった」ようなものかもしれない。
そのまま帰るのも気の毒で、私はその畑を帰りに見に行ってこの写真を撮ったのである。