■レトロと骨董の差
年をとると誰でも保守的になりがちで、懐古趣味となる。 私の場合が特にそうだ。
今があまり良い時代ではないせいか、やたらと昔を懐かしむ。
これは若い者に嫌われると分かっている。
でも、どうしようもなく昔が懐かしい。
昔が本当に良い時代だったかどうかは、ハッキリしない。
嫌なことは忘れてしまい、ただ懐かしがっているのかもしれない。こういうのをレトロ趣味と言うらしい。
レトロな看板
レトロの定義はよく知らないが、100年以上も前の物だと骨董品として値打ちが出る。
ところが50年くらいだとあまり値打ちが無く、この辺りの年代の物がレトロという範疇に入るのかもしれない。
これは海外に住む日本人に特に強く出る傾向がある。
ロス在住の女房の従兄なんかは、その代表例である。
30年以上も海外に住むと、日本が良く見えるようだ。
事実、良いことも沢山あるのだが、日本に住む我々はそれを忘れているのだと思う。
11月には彼がロサンゼルスからやって来るので、レトロな風景を探しておかねばならないと思っているが、期待に応えられるか少し心配だ。
懐かしの水原弘
以前はその辺りに何気なくあったレトロはいつの頃からか、私の周りから消えてしまった。
それを探すのは至難の業であるが、幸いに私の地元には「東京江戸建物園」というものがあり、そこに行けばレトロを味わえる。
昭和初期の建物を移設して、室内も見られるようになっている。
今の若者も50年も経てば、必ずレトロ趣味になる。・・・と思う。
(おまけの話)
家の片付けをしていると、懐かしい品々が出て来る。
そんな中で貴重品を見付けた。
それは「50セントのケネディ・コインと1ドル・コイン」である。
このケネディ・コインは1964年製で、ケネディ大統領が暗殺された翌年に発行されて、たまたまニューヨークに在住していた私が買ったものだ。
キーホルダー型になっていて、中にコインが入っている。
これはお宝ではないかと思い、インターネットで調べてみた。「1964年製は特に銀の保有量が多く、貴重である」と出ていたので期待が高まる。
1ドル・コインと50セントケネディ・コイン
そして、価格を見てガッカリした。
なんと「1500円」であった。
1ドルが360円の時代だったので、50セントコインは180円である。
だから、8倍強となっているのだが、1500円じゃなー。
1880年製の1ドル・コインもあるが、調べるのが嫌になり止めた。
ケネディ・コインはまだ46年しか経っていないので、まだ骨董品まではなっておらず、レトロの段階だったのである。