■座るか、半跏するか?
季節は「芸術の秋」である。 私の場合は自称「芸術家」なので、自分で創作する。
10月末の週末は私の仏像教室の発表会である仏像彫刻展が、中野坂上の成願寺で3日間にわたり開かれた。
夏の間は私は伊達に教材を持参しているのだが、少し彫ると行き詰る。
先生にメールで問い合わせるのだが、先生もメールでは指導出来ない。
仏像展案内葉書
これは問い合わせている私が一番よく分かっている。
だから、そこでストップとなってしまう。
この3ヶ月間で、私は今までの進歩が後戻りしていると感じている。
今年は伊達で聖観音立像を仕上げた後に、同じく聖観音半跏像に取り掛かっていた。だが、これが難しい。
そして殆ど進まずに、東京に戻ったのである。
成願寺のイラスト看板
東京に戻ってから教室に通い、必死に遅れを取り戻そうとしたが、そこでスランプに陥ってしまった。
だから、先に彫った聖観音立像より、後から彫った聖観音半跏像の方が下手ということが起きている。
聖観音立像
10月29~31日に開催された仏像彫刻展には、女房も一緒に見に行った。私にはみんなの仏像の方が遥かに素晴らしく見える。
その時、女房が近寄って来た。
そして言った。『多くの作品の中になかなか素敵な仏像があったので、作者名を見たら「あなた」のだった』と、嬉しいことを言う。
作者名を見るまでは、本当にそう思ったのだそうだ。
理由を聞いて、少しがっかりした。
『いつも家で見慣れている仏像だと、いいと思うようになるのねー』
聖観音半跏像
(おまけの話)
仏像の姿には色々ある。
立っている場合が多いが、座っている時もあるし、時には寝ている場合もあるから可笑しい。
でも、走っている場面とか、食べてる場面は見たことがない。寝ている場合でも仰向けに寝ているのはなくて、横たわっている。
座る場合はあぐらを組んだように見える形と、岩のようなものに座っている形と、片方の足だけ組んでいる形など様々ある。
仏像展会場
自分でその形を試してみたが、太めの私には苦しい姿勢だ。立っている形しか出来ないのは寂しい。
そこで、今回の仏像展に出展する為に、自分では出来ない半跏像を彫ってみた。
これが思った以上に難しく、自分で出来ない形は彫ることも出来ないのであった。