■教育勅語
「教育勅語」という言葉を聞いたことがあるが、その内容までは詳しく知らなかった。 ある時、パソコンで遊んでいたら、明治神宮で公開講座があり、「教育勅語」を知る機会があるらしいと分かった。
東京工芸大学の公開講座に参加して、すっかり無料の講座が気に入った私は、この講座に申し込んだ。
すると、すぐに明治神宮から受講票が送られて来た。
そこには「教育勅語渙発120年記念講座」と書かれていたが、先ずこの「渙発」という字が読めないし、意味も分からない。
明治神宮・奉納お神酒
そこで調べた結果は、「渙とは、水などが勢いよく広がるさま」で、「勅令などを広く天下に発布すること」とある。
すると次に「勅令」が分からない。
これも調べてみたら、「天皇の大権によって制定された命令」とあった。この年になり、知らないことの多さに愕然とする。
雨の中を本殿に向う2人
公開講座の日は、なんと台風14号が関東地方に上陸した日であった。神宮では台風の中を結婚式と七五三のお祝いが行われていたが、なんとも気の毒な日となった。
それなのに、驚いたことに、この講座の為に雨の中を定員の150名をオーバーする老若男女が集まった。
私が観察したところ、参加者の中で実際に教育勅語の教育を受けたと思われる人は僅かだ。
多くは戦中派か戦後派のようだ。若い人も数名はいた。
雨の中の結婚式
みんな今の「なんでもあり」の日本の状況を憂いているのか、かなり熱心に先生の言葉を聞いている。
2時間の講座はアッという間に終り、また台風の中を戻ったが、今回の講座は聞いて良かったと思った。
まだまだ知らないことが山ほどある。
だから、まだ死ねない。
明治神宮菊祭り
(おまけの話)
私は教育勅語を知らないのに、勝手に誤解していた。
今回の講座は教育勅語の成立と時代背景に付いての講義で、「そうだったのかー」と思うことばかりだった。
教育勅語とはわずか315文字の教えで、簡単に言ってしまえば、明治天皇が世相を憂いて、『自分はこう思う。国民も同じようにしてくれることを願う』という、当たり前の道徳を述べた文章である。
教育勅語(本文)
だから、これは命令ではなく、お願いであった。
それでも小学生から意味も分からずに、みんなが暗唱をした。その時代の方が、誰もが道徳心を持っていた。
教育勅語が廃止されてから、日本人はドンドンと欧米化して行き、それと共に個人主義が幅を利かせて、道徳心は薄れて行った。
さー、これからの日本はどうすればいいのだろう?