■栗菓子は高いわけだ。
伊達で「農家」と言っても、羨ましがられることはない。・・・と思う。ところが同じ職業なのに、私の地元で「農家」と言えば、羨ましがられるというから、なにか変だ。 女房の友人で農家のXさんに用事があり、自宅まで行った。彼女の家はみんなが憧れる農家であるが、本業は不動産管理で、農作物は趣味で作っている。
だから、出来た農作物は出荷をせずに、みんなにプレゼントをしている。
頂いた冬瓜
私と女房が用事を済ませて帰ろうとすると、Xさんはお土産に自家栽培のサトイモ、冬瓜、栗、そして烏骨鶏の卵をくれた。
早速、持ち帰ると女房が、『栗の皮を剥いてくれれば、栗ご飯と栗のお菓子を作る』と言うので、私がその係となってしまった。
頂いた栗
20個は表皮だけ剥く、10個は渋皮も剥く、残りの60個は茹で栗になるはずである。
テーブルの上に新聞紙を敷き、包丁で栗の皮を剥く。
やってみるとかなり大変な作業だ。
最初の1個で2分も掛った。
そこで考えた。どうやれば早く剥けるのか?
剥いた栗
色々と試した結果、栗を逆さに持ち、栗の底を避けて、その脇から包丁を入れて剥く。そして、それを繰り返す。
これは早い。45秒で1個が剥けた。
工業出身の私は、今でもどうしても合理化を求めてしまう。
表皮は割合に簡単に剥けたが、渋皮が難題である。
これはただただ忍耐強く、渋皮と戦うしか方法は無い。
表皮は45秒で剥けたのに、渋皮は5分も掛ってしまう。
頂いた烏骨鶏の卵
栗を使ったお菓子は値段が高いが、この作業を考えると、高い理由が分かる。
栗菓子というのは、人件費を食べているようなものなのである。
(おまけの話)
テレビで美味しそうな栗菓子の作り方を放映していた。
栗農家の女将さんが出て来て言っていたので、間違いなかろう。
その方法は、『栗を渋皮を残して剥く。それを油で揚げる。それを鍋に移して水あめで絡めながら熱する。これで出来あがり』。要は、大学芋の作り方と同じのようだ。
自家製栗菓子
女房の作ってくれたその熱々の栗菓子を食べてみた。
ひと口目は美味しいと感じた。
ところが食べ続けて行くと、渋皮が口に残ってかなり渋い。
テレビのゲストが言っていたほど、美味しくはない。
そこで、その渋皮を剥いて食べてみた。
手がベタベタになった。でも、これは美味しい。
やはりと言うべきか、栗は渋皮を剥いて食べた方がはるかに美味しいという再確認となったのである。