■最後の晩餐
最近、町を歩いていると、なぜか急に地元の友人に会うことが増えた。 小金井市も人口が増えたこともあり、町を歩くくらいではあまり会うことも無かったのだが、引越しを決めたら会うから不思議だ。
保険業のSさん、空調サービス会社のFさん、外車販売のYさん、機械工具商のHさん、ガソリンスタンドのWさんに立て続けに会った。
お大尽の坂(今はお大尽はいない)小金井北口
彼らはみんなロータリークラブの元と、現メンバーである。
私が小金井を去ることを話したら、Fさんからメールが入った。
『3月に引越しをすると聞いたので、その前にロータリークラブのメンバーの有志とお別れ会を開きたいので、都合はどうですか?』、とあった。
日本で最初のホスピス(桜町病院)小金井北口
それは嬉しいお誘いである。
2月25日にFさんの発案で、隣町の国分寺の寿司屋に4名の友人が集まってくれた。これが地元の友人達とは最後の晩餐である。
友人というのは普段はどうというこのないのだが、いざ小金井を去るとなると、やはり寂しい。
久し振りの彼らとの話題は、昔話から北海道の夏の生活へと進み、更に農業の話となる。
参加者の内の2名が兼業農家ということもあり、伊達の農産物に興味がある。私は伊達市の農民を代表している気持ちとなり、その場で米と寒〆ジャガイモの注文を取った。
小金井公園の蝋梅
勝どきに引っ越すと、マンションから見える場所にプロカメラマンのO君もいるし、地下鉄ですぐのところにも塗装業のS君がいる。
また、神楽坂には元演歌歌手のM君もいるから、心強い。
それに、小金井や伊達の友人達はみんな高層マンションに興味津々なので、向こうから来てくれるに違いない。
ひっそりとした遊歩道(小金井北口)
(おまけの話)
私が地元のロータリークラブのメンバーだった時に、とても親しい友人達が出来た。
そんな中にA君、B君、C君と今回参加のF君がいた。
A君は薬剤師で薬局経営をしていた。
B君は冠婚葬祭用品の販売業をしていた。
C君はよく判らない仕事で、どうも政治に絡むフィクサーのようで、ロールスロイスに運転手付きで乗っていた。
小金井北口大通り
F君は冷暖房機のメンテナンス会社の社長だ。
みんな楽しい気の良い友人で、麻雀仲間でもあった。
でもバブル崩壊の後に、A君とC君は自分からアチラへ行ってしまった。B君は脳梗塞で倒れたままである。
今回の企画をしてくれたF君と私だけが元気で残った。
人生とは、はかないものである。