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[2011.05.13]
■窓から覗く2人の男
居間でテレビを見ていたら、ガタガタと窓の方から音がした。東北大地震の余震にしては大きいと思った。 
それにしては揺れがないのて、「変だなー」と思った。 
 
少し経つと、窓の外から先ほどより大きな音がした。 
窓を見ると同時に、男2人がこちらを見ているのが見えた。これには私もビックリした。 
 
ゴンドラが下りてくる 


窓の外から部屋の中を見るということが、理解出来なかった。 
なにしろ、ここは41階なのであるから・・・・。 
それはまるでホラー映画の一場面のようだ。 
 
そして少し落ち着いたら、その理由が分かった。 
その2人の男は、外から窓を拭き掃除していたのである。 
 
窓を拭く2人の男 
 
 
ガタガタという音は、彼らの乗っているゴンドラが壁面に当たる音だったのである。 
 
彼らはワイパーのような道具を使い、手際良くガラスを拭きながら下の階に移って行った。 
そこで私はすぐにカメラを持ってエレベーターに乗り、1階に下りて外に出た。 
 
マンションの屋上から垂らされたロープにゴンドラが付いていて、30階の辺りのガラスを拭いているのが見えた。 
 
下の階に下りて行く 
 
2人は窓を拭いて下の階に移る。 
計ってみたら、その間が約5分くらいだ。 
角部屋はそれを7回上下して、磨き上げる。 
だから、私の部屋は彼らに7回も覗かれることになる。 
 
大雑把な計算で、58階分のガラスを全て拭き上げるのに1週間くらいは掛るようだ。 
かなり危険な仕事であるが、作業員の確保に苦労は無いのだろうか?・・・と他人事ながら心配になった。 
 
30階の辺りのガラスを拭く 
 
(おまけの話) 
1階の広場で通行人の安全確保の係の男がいたので聞いてみた。 
私 『かなり危険そうですねー。どんな時が危険ですか?』 
男 『風が吹くと危ないので、中止となる』 
 
私 『高い所で怖くないですか?』 
男 『怖いが慣れた。10メートルを越すと、落ちれば死ぬ。だから58階でも同じだ』 
 
ゴンドラ 
 
私 『給料はいいんでしょう?』 
男 『今は競争相手も多いし、不況なので普通の給料である』 
 
私 『気を付けることは何ですか?』 
男 『物を落下させないこと。落下させたら、出入り禁止となるので、全ての持ち物は紐で体に留めている』 
 
私 『部屋を覗くことになるので、たまには面白いこともある?』 
男 『殆ど無いが、たまには・・・』  
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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