■敬老入浴証
中央区役所から「敬老入浴証」というのが、送られて来た。 その時の私の反応は、『こりゃー、なんじゃ?』だった。
カードには鶴と亀の模様が入っているのが嫌だった。
しかし折角、区役所が私の為に送ってくれたのだからと思い直して、指定先の風呂屋に行ってみることにした。
中央区敬老入浴証と風呂屋一覧表
中央区には10軒の風呂屋があるようで、一番近い風呂屋はここから2分くらいの場所で、部屋から見える。
その風呂屋の名前は「勝どき湯」という。
元は普通の風呂屋だったらしいが、時代の波に飲み込まれたのか、或いは乗ったのか、マンションになっていて、その地下一階が風呂屋となっている。
近所の勝どき湯
入口の自動ドアを入ると、下足箱がある。
そこで靴を脱いでから、受付カウンターに行く。
そこで女将さんからボケ老人と思われたのか、クドクドと説明を受ける。
『この敬老カードを持って来ない場合は450円ですよ。』
更衣室で服を脱ぐ。
裸になって風呂場に行く。
すると先客が6人いて、みんなジジイだ。
見るからに職人の親方風で、公衆浴場に慣れない私はビクつく。
風呂屋の下駄箱
『その風呂の入り方ははなんだー!』なんて怒られたら怖いので、慎重にマナーを守る。
熱い方の風呂は41.7度で、ぬるい方の風呂は17.3度である。
この時間に来ているオヤジ達は、一番風呂を狙って来ているようで、家に風呂があっても、ここへ入りに来ているようだ。みんな仲間のようで、他所者の私だけ隅で小さくなっていた。
私は中央区の10軒の風呂屋全部に行ってみるつもりだ。
全部行っても、1000円である。
でも、バス代がその4倍もかかる。
(中央区銭湯一覧表)
銀座・金春通り
(おまけの話)
中央区の銭湯一覧表の中に「金春湯」が出ていた。
ここは銀座のド真ん中にあるという、有名な風呂屋である。
午後2時が開店と知ったので、その時間に合わせて行ってみた。
入口を入ると番台があり、バアサンが料金を受け取る。
風呂場の壁画は正統派の富士山でなく、鯉である。
銀座の名湯「金春湯」
来ているお客は、どう見ても板長風のオッサンばかりだ。
若い者に下ごしらえをさせて、自分はひと風呂浴びてから店に出るという感じだ。
勝どき湯と違って、仲間意識は無いようなので初心者の私も助かる。
銀座の真ん中の風呂に入ったら、心なしか垢ぬけたような気がした。「垢ぬけ」とは、ここから来たのかな?