■タケノコを撮って食べる
学生時代の友人のMさんと話していたら、自宅の裏山に竹林があると言う。今どき裏山のある家に住んでいる人は珍しい。 『それならタケノコも出るだろう』と聞いたら、『毎年出るが、自分で掘ったことはない。近所の人が掘った時に分けてくれる』と、なんだか他人の竹林のようだ。それなら今年はそのタケノコを掘って、それをバーベキューにして食べようという提案をしたら、受け入れられた。
24日の午前中に暇人の希望者が7人集まった。
場所は中央道の相模湖の少し先の上野原という場所だ。東京からは1時間も掛からない場所だが田舎だ。ここは山梨県で、武田信玄の故郷である。
参加者の中のカメラマンのO君は『ここは戦時中に疎開した思い出がある場所だ』なんて盛んに懐かしがっていたが、若い者が聞いたら何の話か分らないような発言をする。
M君の裏山の竹林は300坪くらいの広さがある。
そこにタケノコ掘り専用の細長い鍬を持って分け入る。今年のタケノコは不作だとM君は言う。見たところ、10本くらいしか生えていない。それを写真に撮る。
竹林は手入れが悪く、竹と竹の隙間が少ない。
昔、チャンバラ映画で見たが、刀を振り回せるくらいの隙間がないと良いタケノコは出来ないらしい。写真の方はプロカメラマンのO君に色々と技術指導をしてもらったが、所詮は付け焼刃なので上手く撮れない。
そんなわけで、適当なところで切り上げてバーベキューになる。M君は食べ切れないほどの食材を用意してくれたが、もう我々は昔のようには食べられない。
ステーキもいいが、焼きタケノコが一番美味しかった。
暇人のオヤジ達はなんだかんだと理由を付けては集まりたがる。
(おまけの話)
M君の奥さんは普通の人じゃない。芸能人である。
それを今日初めて知った。芸能人の妻を持った友人は他には知らない。
聞くところによるとビクターからデビューした演歌歌手で、芸名はM・S子という。自分で作詞して、それを歌う。奥ゆかしいM君は『女房は歌が好きでね~』とは言っていたが、まさかプロの歌手とは思わなかった。
『ありがとうお父さん』なんて曲も歌っているので、『へー、亭主に感謝している歌なんか歌うんだ』と言ったら、『とんでもない。私のお父さんですよ!』と怒られた。時々、ディナーショーもやるらしいので、次回はみんなでチケットを買って見に行こう。