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[2007.05.14]
■5番湯で地元のオジサンと話し込む
草津温泉から白根山を経由して志賀高原を下るとそこに渋温泉がある。ここは昨年、秘湯研究会でも来ている名湯である。なにがいいかというと、昔の温泉街の風情が残っている。浴衣を着たお客が町を歩いている温泉地は日本でもそうはない。ここではそれが普通である。それがまた似合う町である。 
 



細い路地のような曲がりくねった道の両側にこじんまりとした旅館が立ち並んでいる。大型旅館は無く、みんな家族経営のような小さな宿だ。町の中には公衆浴場が9つある。1番から9番まで番号が付けてある。 
我々の泊まる旅館の目の前は9番の大湯満願湯である。何番の湯でも3~5人も入れば一杯となる大きさの湯船である。 
 
夕方に渋温泉に到着し、みんなで公衆浴場に行く。 
まずは目の前の9番から。次に1番に行く。ここは熱い。水を足しても入れない。遂に諦めて桶でお湯を掛けただけで出る。50度はありそうだ。 
 
翌朝は皆の寝ている6時に7番湯に行く。ここも熱いのなんのって60度以上はありそうだ。次に4番に行く。そこには地元のオジサンがいた。そのオジサンに湯に関して聞いてみた。その結果、色々と分った。 
 
温泉は1番から9番まで各地区の町内会で管理している。建物も町内会で建てた。掃除は当番で行い1日おきに栓を抜いて洗う。固定資産税も町内会で払っている。そのお金の出所は、旅館に泊まる観光客からと町内会からと市役所からで60%、残りの40%が志賀高原の開発の権利を独占している和合会という組織から出いるそうだ。 
 
 
日本でも珍しい形で運営されている渋温泉のお湯がズーと保存されることを願う。全ての外湯が加水も過熱もしていない源泉かけ流しという羨ましいような自然の恵みは大切にして欲しい。場所は町なかであるが、本当の秘湯である。今回の訪問で、1番、4番、5番、6番、7番、9番の湯とそれに旅館『果亭の湯』に浸かった。どれもみな良い湯だ。 
 
(おまけの話) 
我々の泊った旅館は『果亭』という変わった名前である。この由来を聞いてビックリした。 
かなり以前の話らしいが、元は山本旅館と言ったそうだ。山本旅館によく来ていた児玉果亭という明治時代に活躍した南画家がこの山本旅館の主からこの旅館をもらったらしい。或いは絵と交換したのかもしれない。 
 
その条件は『元の経営者の山本一族が泊まりに来た時はお酒も含めて全部無料にすること』というなんとも長閑な話だったらしい。だから、今の経営者は児玉果亭の子孫である。 
 
そういえば、迎えに来てくれたオヤジはそれとなく芸術家風だった。この旅館は『熱いものは熱く、冷たいものは冷たく』出していた。旅館のどこもかしこも畳敷きなのも気に入った。エレベーターの中さえ畳が敷いてある。 
果亭 http://www5.ocn.ne.jp/~katei/
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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