■パジェロで登って夕陽を見る
私の住んでいるコテージはゴルフ場の中にある。 そのゴルフ場の終ったところを更に上ると、山の頂上に出る。私は春と夏と秋にそこに上ったことがある。冬だけは行ったことがない。
3月の春はまだ雪が一杯だった。そこへはKさんの案内でスノーモビルで行ったことがある。
夏と秋はやはりKさんの案内で4輪駆動車で登った。
頂上からの展望は『伊達にもこんな景色の良い場所があるのー』と驚く。
ある日のことである。コテージに現れたKさんが『頂上の夕日が綺麗だよー』と言う。
でも忙しいKさんはなかなか私を連れて行ってくれない。催促したら、『じゃー、パジェロを貸すから自分で行って来て』と言う。そこでコテージに滞在中の友人達を誘ってパジェロで出掛ける。
洞爺コースの端をかすめてパジェロを走らせる。
コースを外れると細い山道となる。4輪駆動車でなければ行けない。道は細くなり、車がやっと通れるくらいになって来る。両サイドの木々の葉が車の窓に当たる。10分くらいでやっと頂上に出る。
そこからの景色は素晴らしい。視界を遮るものは無い。内浦湾、有珠山、洞爺湖、羊蹄山、中山峠など、全てが見える。
ウインザーホテルからの景観が良いと言うが、そんなものは比較にならない。
ウインザーホテルの右手に沈んで行く太陽を見ながら、感傷にふける。ここへ来て、自然を大事にしないといけないなーと思った。
次回はもっと夕陽が綺麗な日を選んで撮影に行こうと思う。
(写真の説明)
一番左手の山は有珠山である。その手前で白く見えるのは昭和新山の噴煙である。湖は洞爺湖で、左手の山の頂上に見える四角の建物が来年の7月に開催が決定したサミットの会場のウインザーホテルである。
湖の左手のカーブした辺りが洞爺湖温泉街である。
湖の中央の小山が中島という島で、鹿が異常繁殖している。湖の手前の白い物は農家のビニールハウスで、その辺りが話によく登場する壮瞥町だ。
写真のパジェロは古いので、少しブレーキの効きが悪い。この車は広大な私有地内しか走らないので、ナンバープレートは無い。そこは山の頂上で、360度が見渡せる素晴らしい景観の場所である。
(おまけの話)
ある日、ホテルローヤルのKさん夫妻を誘って頂上に行った。この日の夕陽は幻想的だった。
どういう気象条件の時に夕陽が綺麗に出るのかは、まだ私にはハッキリとは分らない。
天気が良くても雲が無いと駄目である。それも薄い雲が良いように感じる。この日は雲が厚かったが、地平線と雲の間に空間があった。
そこへ沈んで行く夕陽もまた良かった。
借り物のパジェロで、借り物の自然を見せてあげてKさん夫妻には喜ばれた。人の物で義理を果たすとはこのことか?