■熟女4人とサクランボ狩りをする
壮瞥町に岩倉観光農園がある。ここのオーナーのTさんはすごく気がいい。 私は4年前からお付き合いがあり、今では夜になると突然コテージに現れるようになった。
家の中には居場所が無い典型的なオヤジなのかもしれない。まだハッキリは分らない。
酒を飲めないTさんはいつもコーラを2缶は飲む。そして11時頃までいる。
そのTさんが寿司屋のJちゃんをサクランボ狩りに誘って欲しいようだった。それを察した私はJちゃんと女房を誘ってTさんの農園に行くことになった。
ところが、JちゃんはボンジュールのママのIさんを誘った。更にIさんはYさんを誘った。
誘い誘われて、ついに5人にもなってしまった。
Tさんは私達とJちゃんだけ無料で入れたかったんじゃないかなー?
午後2時に岩倉観光農園前に熟美女4人とオヤジ1人が集合した。早速、裏のサクランボ畑に入る。我々はもう何度も行っているので、少し摘む程度である。
伊達の町に住んでいる熟女3人はサクランボ狩りは初めてで、始まる前から興奮気味である。
美味しいサクランボを思いっ切り食べようと、梯子を持ってサクランボの木に向かう。ところが私から見ると、あまり生っていない木ばかり選んで梯子を架けて登っている。私が『そこはサクランボが少ないよ!』と言うと、梯子を担いでウロウロしている。
Tさんは『サクランボ狩りではズボンは禁止です。ミニスカートでお願いします』なんて冗談を言っている。木から木へとウロウロするのだが、またサクランボの少ない場所に行ってしまう。その様が可笑しい。
遠くから見ればすぐ判るのに、近くに寄り過ぎているのだ。お腹一杯のサクランボを食べて、バケツ一杯のサクランボを収穫して満足な3人だった。
熟女もサクランボを前にすると子供に戻るんだなー。
(おまけの話)
Tさんの奥さんは働き者である。
今の時期は午前4時前から起き出して、サクランボの仕分けと箱詰めをしている。サクランボは痛みが早いので、収穫したらすぐに出荷をしないと商品価値が落ちる。昼間は売店で観光客にサクランボやジャムの販売をするので、休む時間が無い。だからいつもストレスを抱えている。
そんな彼女は歌が大好きだ。ある日、私達夫婦は彼ら夫婦を誘ってカラオケに行った。
オヤジは歌はまるで駄目だ。ところが母さんは歌が飛びきりに上手い。特に石川さゆりの歌を歌わしたら、天下一品である。
そこでオヤジは洞爺湖温泉で行われるNHKのど自慢に出るように母さんに言った。
目立つことの嫌いな母さんは『無理強いするなら離婚する』とオヤジを脅かした。
そのとばっちりが私の方に来て、Tさんは『橋本さん、NHKのど自慢に出たら』と、音痴な私に誘いを掛けてきた。危うくその気になりそうになった。