■季節移住者が菜々に集う
毎年夏になると都会の暑さを逃れて各地から伊達市に季節移住をしに来る人達がいる。 我々もその内の1組である。気が付いたら、もう5年目になった。
そんな人達を伊達市は大事にしてくれていて、ある日の夕方からその人達に集まってもらい懇親会を開くことになった。昨年はホテル・ローヤルで開いたが、今年は創作中華料理店の采采である。
集まった季節移住者は我々夫婦を含めて5夫婦と単身者が2人である。対する接待役の市役所職員と移住定住協議会のメンバーで10数人もいる。
配られた参加者名簿を見たら、私達は季節移住者の名簿に無い。いつの間にか接待役の方のメンバーに入れられていた。我々はもう接待されない立場となったようで、なんでも珍しい方がいいのだと悟った。
私は菜菜の中華料理が好きだ。地元で採れたばかりの食材をサッと炒めて出してくる。
本格的でないところがなお良い。マスターのKさんは前日に私とのゴルフを体調不良でキャンセルしたばかりなので、気兼ねそうにしている。いつも小さな体で大きな中華鍋を振っているので、肩の筋肉が痛くなってしまったようだ。
市役所のK課長の司会で懇親会は始った。
まだ酒も入っていないのに、K課長は盛り上がっている。多分、盛り上げているのだろう。
季節移住者には色々なキャラクターの人達がいたが、それらの人達が目立たなくなってしまうほどのキャラクターがK課長であった。
まるで吉本から派遣されたようだった。こういう会は気楽に越したことはない。2次会は私の行きつけの錦町のスナック・ノアである。大勢のお客を引き連れての来店にママは大喜びだった。ここでもK課長は吉本芸人を演じ続けていた。プロの芸人が辞めたくなるような迷演技である。
(おまけの話)
この日は忙しかった。いつも忙しいがこの日は特にだ。早朝からイコロ農園に行って農産物の収穫をする。ご近所のO画伯の奥さんに頼まれた野菜を届けるためだ。大根、ズッキーニ、キャベツ、ネギを収穫する。その足でポスフールへ行き、女房に頼まれた買い物をする。
帰りに収穫した野菜をO画伯に届ける。昼食後に伊達市役所に出向いて参議院議員の不在者選挙を行う。
その後に壮瞥町の岩倉果樹園に行き、文七のJちゃん、スナック・ボンジュールのママのIさん、化粧品販売のYさんの3人を出迎える。サクランボ狩りをしたいという3人をIさんに引き合わせる為である。
サクランボ狩りが終わったら虻田の石田内科に行く。
昨年から石田医師に『橋本さん、もう年なんだから前立腺癌の検査をした方がいいですよ』と言われていたからだ。血液検査をしてコテージに戻り、クラブハウスに行って風呂に入る。
すぐにコテージを出て懇親会の会場に向かう。そして二次会まで付き合う。こんなに忙しくては、女房に『静養の為に東京に行って来ます』と逃げられるわけだ。