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[2012.03.28]
■銀座アパートメント
銀座1丁目に古ぼけたビルがある。 
今にも崩れ落ちそうな感じを受ける。 
以前から気になっていたので、女房と行ってみた。 
 
そのビルの名前は「奥野ビル」である。 
多分、奥野さんという方が所有しているんだろうと思う。 
 
建設されたのは1932年というから、今から80年も昔のことである。 
 
奥野ビルの外観 


私よりも10歳も年長のビルが現存していて、しかも立派に使われていることに驚く。 
建てられた当時は「銀座アパートメント」という名前で、金持ちや有名人が多く住んでいたそうである。 
 
外観は当時のままである。 
落ちそうな壁のところどころに、雑草なんかが生えている。 
 
レトロなエレベーター 
 
古びたドアを入ると、そこにはエレベーターがある。 
当時のままの、今では懐かしいレトロな手動式ドアの付いたエレベーターは誰でもが乗りたくなるから不思議だ。 
 
押しボタンでエレベーターを呼び、先ず表のドアを開ける。 
次に中の蛇腹式のドアを開ける。そして乗りこむ。 
 
4人乗りの小さなエレベーターは、思ったより静かに上昇して行く。 
 
2階の通路 (ギャラリーが多くある) 
 
2階で降りて、ギャラリーに行く。 
このビルには60室の部屋があるそうだが、その内の20室がギャラリーになっているそうだ。 
 
小さな部屋の小さなギャラリーは、どうみても趣味でやっているようで、経営的には成り立たないと思う。 
1軒のギャラリーの主に聞いてみたら、やはりそうで、『年金があるからやれる』と言っていた。 
 
そんな老後も楽しそうだ。 
色々な老後があると勉強になった。 
 
80年の歴史を感じさせる通路 
 
(おまけの話) 
奥野ビルのギャラリーには、いつも個性的な芸術家の個展が開かれている。 
私は2階のあるギャラりーに入って驚いた。 
 
ドア越しに見えたのは、女性の裸である。 
いわゆる裸婦像かなと思い、恐る恐る入ってみた。 
 
そこには予想もしない世界が広がっていた。 
なんと全裸の女性の緊縛画だった。 
部屋の中には40歳くらいの女性と60歳くらいの女性がいた。 
 
ドキドキの緊縛画 
 
私はどうしたらいいものか分からなくなり、聞いてみた。 
私   「この作家は女性ですか?」 
女性  「私です」  
予想外の返事にうろたえた。 
 
私   「こういうのが趣味ですか?」 
女性  「まあそうです」 
 
さすがの私もこれ以上の会話が続かない。 
お礼を言って部屋を出たが、いつまでもドキドキしていた。 
 
ペルー人作家の造形美 
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▼コメント(2)
名前:shinji  2012.03.29 06:50:12
古い建築は風化して自然と一体となるところに風情があるというか、昔の言葉でいえば、いとおかし、であります。 雑草が生えたり、住んでいる人が勝手に手直しなどしているうちに、独特の雰囲気が形成されていくのですね。それは建築家がこうでなくてはいけない、という当初の設計意図から離れて、成長独立して時間と共に自然発生進化/退化していく姿で、それをまのあたりに見るとなぜか心を揺さぶられます。 
名前:紫力  2012.03.28 09:00:49
東京という都市の底力を感じました。 

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プロフィール
心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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