■下町との関わり合い方
私は生まれも育ちも下町とは縁が無かった。 下町の再開発で高層マンションが建つと、表面化はしていないが、色々と問題が起きる。その最大の問題は、『下町の人達との関わり合い方』である。
どこでも古い町は、その町独特の歴史、伝統、人情というものがあるはずである。ところが、マンション族はそんなことはお構いなしの人が多い。
「通勤に便利だ。周りと関係の無い生活をしたい。防犯に優れている。庭の手入れもしないでいい」などなど、人により色々な事情がある。

古い伝統のある町の真ん中にドーンと高層マンションが建つ。
再開発で町を去る人、残る人が出る。
それにより、古くからの人間関係が壊れてしまうこともある。

同じマンションに住むKさんという区会議員の女性からメールが来た。
『2010年の夏より新たな地域コミュニティの可能性を探るために「もらい湯キャンプ」というものがあります。

そもそもの狙いは、新しい住民と古くからの住民の交流をご家庭の「お風呂」を借りることにより深めていこうというものです。ご家庭のお風呂を子ども達に貸していただけませんか?』とあった。

私は躊躇したが女房に聞いてみたら、『いいんじゃない。受け入れてあげたら・・』と快諾だった。
8月のある日に、引率者に連れられて小学生の女の子が3人やって来た。

最近の子供は昔の子供のように、人見知りなんかしない。
初対面でも、大人と対等に話が出来るのには驚いた。
3人で我が家のお風呂に入り、猫のラーちゃんと遊び、楽しいひと時を過ごして帰って行った。

(おまけの話)
ある時、同じ町内の実力者のOさんを紹介された。
彼の話では、このマンション建設には地元の大反対運動があった。
しかし、Oさんの「町の発展の為には必要だ。反対運動は止めろ」という鶴の一声で反対運動は止んだそうだ。
そして、その後、同じ町内の盆踊り大会の招待状が来た。
Oさんに尋ねた。『祝いの品を持って行きたいが、お酒がいいのかな?』
私の質問にOさんは答えた。『先ずは手ぶらで来てみてくれ』。

そして下町の盆踊りを初めて経験した。
ところが、なんと招待客用の席が用意されていて、酒や肴が出て来た。
「酒も飲めない」、「踊りも出来ない」、「知り合いもいない」では間が持てない。
暫くして、Oさんに見付からないようにして席を立った。
でも下町らしい、素晴らしい盆踊り大会だった。
