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[2007.10.16]
■伊達の野菜を撮る
私はカメラマンを自称している。だからいつもカメラを持ち歩いている。伊達の友人の中には『橋本さんが来た。写真を撮られるぞ!』と恐れている人もいる。 
 
そんなある日に伊達市の名門ホテルの『ローヤル』の奥さんのMさんから思い掛けないお願いを受けた。ホテル・ローヤルで開発し販売している『四季のスープ』の宣伝に使う伊達産野菜の写真を撮って欲しいという。 
 



パンフレットの製作を依頼している札幌の会社から急に野菜の写真が欲しいと言われたそうだ。それも『翌日までに』と急な話だ。 
 
困ったMさんは伊達の写真家である私に『撮り溜めた写真の中にトマト、キャベツ、カボチャ、ジャガイモの写真はありませんか?』と聞いてきた。そんなのある筈がない。 
スープの素材に使っている野菜の写真がどうしても必要だと言う。 
 
Mさんは『撮影代は払えないけれど、お昼にお蕎麦をご馳走するから撮ってもらえませんか?』と言う。食べ物の誘いに弱い私はすぐにOKを出す。 
 
先ずは弄月町のUさんという農家にトマトの撮影に行く。30棟くらいはありそうなビニールハウスの中でトマトが栽培されている。撮影に向いていそうな熟したトマトを箱に入れて撮影する。美味しそうに撮れた。次はキャベツである。これはUさんは栽培していない。そこで道端で見掛けたキャベツを撮ることにする。 
 
約束のお昼の蕎麦は私の好きな『翁』に行く。ここの蕎麦は都会風の蕎麦で、私は好きだ。 
主は『いつ東京に戻るんですか?』と聞いてきた。この時期になると、みんな私達の帰る日が気になるようだ。昼食後はカボチャとジャガイモである。 
 
これはイコロ農園で私が収穫したものが保管されている。倉庫からカボチャとジャガイモを出して来てネコ(一輪車)に乗せる。どれも満足のいく写真が撮れた。 
これがパンフレットに載ると思うと、私もいよいよプロになった気持ちになった。報酬がたかが蕎麦とはいえ、写真で稼いだのは生まれて初めての経験である。 
 
 
(おまけの話) 
私の女房は現役の時は料理研究家であった。 
仕事で料理や素材の写真を撮っている場面は時々見たことがある。プロカメラマンが助手を連れて来る。撮影の段取りは助手がする。ライトを配置して、料理が美味しそうに見えるようにする。 
 
それが終るとやおらカメラマンが登場して撮影する。野菜や魚などは新鮮に見えるように噴霧器で霧を吹き付ける。 
それを覚えていた私は道端のキャベツを撮る時にMさんに依頼して持参してもらった噴霧器で霧を吹き付けた。『朝どりのキャベツ』という雰囲気になった。 
 
カボチャやジャガイモにも霧を吹きつけようとするMさんを私は制止した。この場合は腐りかけに見えてしまうからだ。 
私の場合は報酬が蕎麦だけだから、クライアントも助手に使ってしまう。 
私の写真で四季のスープが売れることを願う。 
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心の伊達市民 第一号
心の伊達市民 第一号
北海道伊達市に2003年夏より毎年季節移住に来ていた東京出身のH氏。夏の間の3ヵ月間をトーヤレイクヒルG.C.のコテージに滞在していたが、ゴルフ場の閉鎖で滞在先を失う。それ以降は行く先が無く、都心で徘徊の毎日。 
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