■動物園に人を見に行く
東京には昔から上野動物園と井の頭動物園があった。 上野動物園には子供の頃から何回も行っている。
井の頭動物園は近いのだが、動物が少なく、貧弱なのであまり行かない。
多摩動物園は今年で50周年だと聞いたが、もうそんなに経ったのかー?それじゃ、私も年をとるわけだと納得した。
我が家は私以外は女房も娘も動物園が大好きだ。
女房は外国へ行っても動物園に1人でも行くほどのマニアである。
5月の連休に彼らの希望を入れて、仕方なく多摩動物園に行くことになった。
最近は旭山動物園に刺激を受けて、どこの動物園も見物客が喜ぶような仕掛け作りに熱心に取り組んでいる。
実際に旭山動物園に行ったら、その狭さにビックリした覚えがある。でも、その努力は動物園の概念を変えたという点で大いに評価されていい。
午前9時半の開園に間に合うように家を出た。
ところが、そこへ行くまでに道路は渋滞でノロノロ運転になっている。前日が雨だったので、その分のお客まで今日に回っているようだ。
しかも、今日と明日だけは入場料が無料となっているから、なおのこと混む。
途中にある有料駐車場はどこも満車のサインが出ている。
やっとのことで見付けた駐車場は動物園からはかなり遠い場所となった。
車と電車とモノレールでやって来る人達で、入口からもう混んでいる。
やっと辿り着いた動物の前は三重四重の人だかりである。
『止まらないで下さい』なんて後ろの方の人から言われる。
幸いにも女房は『サル系』の動物が好きじゃないので、ライオン、トラ、豹、象、レスターパンダ、キリンなどを見れば満足してくれる。
お目当てのライオンバスは3時間待ちという。
呆れてしまって早目に動物園を出たが、それでも2時間は居た。この動物園には今日は伊達市の全人口が見に来ているような感じだ。
動物園に行ったのに動物はよく見えず、人ばかりがよく見えた。
(おまけの話)
かなり前に女房と2人でハンガリーのブタペストに行った。
その時はまだハンガリーは共産圏であったので、エンターテイメントという点では自由世界と比べたらかなり劣っていた。
我が家にホームステイした留学生の手配でのヨーロッパ旅行だったので、文句は言えないし、またそれも面白いと思っていた。
ウィーンで4泊した後にブタペストでも4泊もしたので、やることが無くなった。仕方が無いので動物園に行った。
そして、驚いた。殆ど野生動物はいない。
定番のゾウとかライオンなんか全くいない。そして見付けたのが、破れかかった檻の中に居た犬のシェパードだった。
その当時は我が家でシェパードを飼っていて、いつでも手に触れることが出来ていたので、檻に入ったシェパードをお金を出して見るというのが、どうにも理解し難かった。
世界というのは私が思っている以上に広いのである。