■我が家の逃亡者
我が家にはウズベキスタンからやって来た元ノラ猫のラーちゃんがいることは既にみんな知っていると思う。 最近は外の猫に病気が蔓延しているので、外に出さないようにしている。でも、外に出たいラーちゃんはいつも私達のスキを狙っている。
冬の間は部屋のガラス戸も閉めたままだから問題ないのだが、5月にもなり暑くなって来ると網戸にする。
その時は網戸をガムテープで留めているが、それでも時々それを破って逃亡することがある。
イコロ農園から持ち帰った種イモを狭い庭に植えているが、いよいよ花が咲いてきた。生育状況に違いがあるので、一斉に咲くというわけにはいかない。
紫色の可憐な花は『北あかり』か?俄か農家の私は品種が分らない。
根もとの雑草を取ったり、写真を撮ったりしていたら、後ろでなにかの気配を感じた。
振り向いたらラ−ちゃんだ。また逃亡したのである。
逃亡してもどこか遠くに行くわけではないらしい。
なんとなく、その辺に居るが捕まえられない。呼んでも来ない。
そんな時は知らぬ振りをして、部屋に入ってしまう。
夕方になり、周りが薄暗くなるとラーちゃんも家が恋しくなるのか、硝子戸の向こうから部屋の中を覗いている。
そうなったら、もうこっちのもので、ラーちゃんの好物のホタテの燻製を餌におびき寄せる。
本人も家に入りたかったらしく、抵抗はしない。
その後が大変である。体中が汚れてしまっているので、雑巾で全身を隈なく拭いてやる。この時だけは抵抗する。
そしてまた、何事も無かったように居間のテレビの前で寝ている。
(おまけの話)
40年くらい前にテレビドラマで『逃亡者』というのが放送されていた。私はこのドラマが大好きで、毎回欠かさず見ていた。
当時はテレビというのは1軒に1台しかなかったのであるから、家族が全員で見ていたことになる。
まだ、放送は白黒の時代で、主役のデビット・ジャンセンが演じる医師のリチャード・キンブルが格好いいなーと思って見ていた。
リチャード・キンブルは実際の事件からヒントを得て作られたドラマの主役で、身に覚えのない妻殺しの汚名を着せられて終身刑に処せられる。
ところが、護送中の列車が転覆して、それから逃亡生活が始まるのである。
対する敵役のジェラード警部が憎たらしく、執拗にリチャード・キンブルを追い詰めて行くのだが、際どいところで逃れて行く。
毎回、このようなストーリーであったが、飽きなかった。
この話を読んで、『そうだったなー』と同感を覚える人は、多分もう現役を引退している人ばかりだと思う。40年くらいはアッという間に過ぎてしまう。
若い人たちよ、時間を無駄にしないように!
引退すれば嫌になるほど時間はある。
でも引退する前に、その時間の使い方を考えておかないと悲惨なことになる。