■それぞれのゴールデンウィーク
今年のゴールデンウィークは最長で11日間の休みだが、たかがこの程度で『ゴールデン』とは寂しい。 休みの好きなフランス人に知られたら恥ずかしい。
私はゴールデンウィークの谷間の平日に床屋に行く為に新宿に出た。
電車はいつもより空いている。新宿駅で降りたら、いつもの混雑であった。
住友ビルに向かう地下道は来年の就職をなんとかしようというリクルートスーツの女性達が闊歩している。
会社員は急ぎ足で動く歩道を歩いている。
いつもの平日となんにも変らないように見える。
床屋の客達は『以前はこのビルで働いていた』という感じの引退した白髪のジジイばかりである。
10時30分までに店に入ると1000円の割引なので、それを狙って来ているようだ。私と同じだ。
床屋を終って、天気がよく気持ちがいいので新宿中央公園に行ってみる。
この公園はホームレスが根城にしていて、今日は天気が良いので、木の下には洗濯物が干してあるバラック小屋がある。
ここには名所の『新宿ナイヤガラ滝』があるが、これは正式名称である。
その前の広場ではスケボーをする若者、昼間から酒盛りをするホームレス、プロのカメラマンを引き連れて自分の写真を撮らせている男性などがいる。
私の想像では、この男性は『この近くのビルの住人で、会社を上場するので、新しく会社案内を作るに当たって、社長のプロフィールのページに載せる写真を撮っている』のように見える。
帰りに小田急デパートで夕食のおかずを買って帰り、家でテレビを見る。
ニュースでは『今年のゴールデン・ウィークの海外旅行は安近短で、東南アジアに行く人が多い』と伝えていた。
世の中のお父さんは仕事で疲れているのに、折角の休みも家族の為に無理をして、高いお金を払ってどこかに行かねばならないとは辛いものだ。
そこで私としては暫定税率が復活する前に安いガソリンを入れに行こうかと思ったら、最近は車にあまり乗らないのでタンクは満タンだった。
毎日がゴールデン・ウィークの私は、現役の人達の邪魔をしないように家から出ないようにしよう。
それぞれのゴールデンウィークである。
(おまけの話)
日本人は普通にゴールデンウィークと言っているが、この言葉を外国人が聞いたら、どう感じるかに興味を持った。
そこで、友人の台湾人、ベトナム人、アメリカ人、中国人に聞いてみた。
日本を知り過ぎている人の場合は、現地の人に聞いてもらった。
『ゴールデンウィークという言葉から何を連想しますか?』
*アメリカ人
これはロスアンゼルス在住、30年の日本人にアメリカ人の考えを聞いてもらった。
(答)『Golden Weekという言葉は和製英語ですから、アメリカ人は英語になっていないので、それはなんですか?と言われる』、『強いて言えば、5月5日のシンコデマヨというメキシコがフランスに勝利した日を祝う週に相当するだろう』
*台湾人
これは昨年結婚して、今年になって日本に来た台湾女性に聞きました。
中国以外では黄金週間というのは無いようで、台湾人が連想するのは『初夏の黄金色の太陽が毎日ある休暇週間』だそうです。
*ベトナム人
これはホーチミンの日本人学校に通っている現地の生徒達の答えです。
(答)『日本中が金色に飾りつけられる週間』
他には『お金の掛かる長い休みの1週間』
*中国人
これは上海で会社を経営している友人が日本語を知らない中国人社員5人にアンケートを取ってくれたものです。
中国では5月と10月の連休を指します。
(答)『1位・消費』、『2位・旅行』、『3位・連休』
私はもっととんでもない答えを期待していたのですが、その割には現状に近い答えで少しガッカリ。