■謎の看板『アイコ』
私の滞在しているゴルフ場の中のコテージから伊達の町まで15キロくらいある。 でも東京と違い、道が空いているのでいつでも15分で行ける。山を降りて左に曲がり、しばらく行くと信号機のある交差点に出る。
ここを右に曲がると昭和新山方面で、左に曲がるとイコロ農園である。この信号の左側の角に大きな農家がある。
そして、そこに看板が出ていて、『アイコ狩り』とある。
更に『持ち帰りOK』とも書いてある。
私はそれが何であるか全く想像が付かなかった。
普通はアイコと言えば、女性の名前である。
女性の名前で、しかも『持ち帰りOK』と来ると尋常な話でない。なんだか風俗系の看板だ。
オヤジはみんなそう考える。
そこで先ずは専業農家のIさんに電話した。
彼は全く分からないと言う。
次に俄か農家のイコロ農園のTさんに電話した。
Tさんも全く分からないという。
こんなに皆が分からない物なら、分かる人は居ないと考えて良さそうだ。
それでも、それを宣伝文句に使うこの農家の主人は大物である。
そこで、ある日のことである。思い切ってそこへ行ってみた。作業小屋の中にいた若夫婦に、『アイコって何ですかー?』聞いた。
その返事は『トマトの種類です』というなんともつまらない答えだった。
気を持たせるのが手なのか?、
或いは自分が知っているので、みんなも知っていると思い込んでいるのか?不思議な人だ。
でも、少しだけ買って帰って食べたら、アイコは美味しかった。来年はイコロ農園でも作付けしてみよう。
(おまけの話)
私の母の名前は愛子である。
数年前に亡くなったが、几帳面な母だった。
その影響は私にも多少は出ているように感じている。
几帳面も度が過ぎるとそばにいる人が疲れる。
母は私の家に遊びに来ると、荷物を解いてお土産等を取り出すと、そのバッグを玄関に置きに行く。
帰りに忘れないようにと考えての行動である。
私の育った家は大きな座敷があった。
そこにはいつも綺麗に和風のテーブルと座布団が敷かれていた。子どもの私がそこに座ると母に怒られた。
だから座布団は見るものだと思って育った。
結婚してからも我が家にも座布団があった。
私はその座布団を枕にして昼寝をしてみたら、こんなに気持ちの良いことはなかった。
座布団は見るだけよりは、やはり使った方がいい。