■カニは熱い内に食え
北海道と言えば『カニ』である。 この辺りでは7月15日にカニ漁が解禁となった。
これは室蘭民報で見た。そして、19日と20日に虎杖浜でカニ祭りがあることを知った。そこでカニ大好き女の女房と行ってみた。
虎杖浜に入り、国道沿いの大きなお土産屋を避けて、海岸沿いの道を行く。鱈漁か昆布漁か分からないが、昔は栄えたのであろうと思われる壊れかけた番屋の跡が見える。
今でもすぐ傍で僅かな場所で昆布を干している。
タラコの好きな女房はタラコの製造販売所を見付けた。
試食をしたら、これが美味しい。釣られて買って帰る。
今回の目的はタラコではなく、カニである。
国道沿いにかなり派手な看板が見えた。そこに立ち寄ったが、ここは団体さん専用のような雰囲気である。
そこで、少し手前の『カニ王』という店に行く。
ここは10年近く前に立ち寄って、自宅にタラバ蟹を送った覚えがある。
外から見える釜でその朝、毛ガニを茹でたばかりのようだ。
1杯2000円の毛ガニを買って、店内で食べる。
まだ温かかくてとても美味しい。カニは温かいに限る。
北海道に来てからカニを食べるチャンスが多くなった。
それまではあまり食べたことが無いので、1杯丸ごとカニを渡されると、どうやって食べたらよいか分からずうろたえていた。
最近はすっかり慣れてしまい、先ず足とハサミを全て取り去る。次に頭の方から甲羅を剥がす。
そして、腹の方にある三角の尻尾のような物を取り去る。
最後に胴体を半分に割れば、それで出来上がりだ。
そこで鋏を使って殻を切り裂き、専用フォークで無言で食べればよい。
今ではすっかり、カニ評論家になっている私だ。
(おまけの話)
数年前に伊達に初めて来た時に、この町のK社長から毛ガニを頂いた。その時にK社長は、『橋本さん、カニは蒸して熱い内に食べるのが一番美味しいですよ』と言われた。
東京ではカニは冷たい物というのが常識であったので驚いた。すぐにやってみた。
頂いた毛ガニを蒸して、フーフー言いながら食べた。
熱いので食べにくいが、これは旨かった。
カニを茹でると出汁となって美味しいところが全部出て行ってしまう。浜で茹でているのが美味しいのは、第一にその雰囲気である。
そして、大量に茹でるので、茹で汁がカニの出汁で飽和状態になっているので、それ以上はカニの美味しいところが出て行かないのだそうだ。
それなら、浜の茹でカニは解禁初日に行くより、2日目以降の方が美味しいに違いないと思う。