■久し振りの混浴で若返る
以前から『会員制温泉』があるという噂は聞いていた。 いつかは入りたいと思っていたが、なかなか機会が無かった。
そんな時に市内のOさんから耳よりな話を聞いた。
『弁景に会員制の温泉があるが、入りたいですか?』
こんな願ってもない話は大歓迎で、早速、段取りをしてもらう。
その温泉はオルフレ・スキー場の近くの弁景にある。
その昔はここは鉱山があり、その人達を相手にした旅館や飲食店もあった大きな町だったようだ。
鉱山の廃坑により町は寂れてしまい、今は何も無い。
ここも黄渓と同じく壮瞥から消えた町である。
その時に不要になった温泉を地元の人達が譲り受けて、それ以来、会員制温泉としてやっているらしいことが分かった。
長流川の上流の川沿いにあるその会員制の温泉は52名の会員で運営されている。原則として会員以外の入浴を認めていない。
案内役のTさんに連れられて、3人で道路から坂道を降りて行く。その先には温泉小屋があり、中に入ると脱衣所と風呂場がある。
その温泉に入るには小屋の鍵が無いと入れない。
早速、お湯に入ってみる。
熱い。44~45度はありそうだ。泉質は弱硫黄温泉である。
コンクリート製の浴槽が2つあり、どちらも同じ温度である。
源泉掛け流しだが、温度が高過ぎるので水を足して調節している。我慢して入るが、長くは入っていられない。
案内役のTさんもOさんも平気な顔をして入っている。
今までに色々な温泉に入ったが、会員制は初めてだ。
それだけでも良い温泉であるという証拠となり、満足な日であった。
また、別の会員制温泉に入りたいなー。
(おまけの話)
脱衣所は真ん中に仕切りがあった。
なにげなく皆とは反対側に行って服を脱ごうと思った。
すると、そこには女性が居た。
『御免なさい』と言うと、『いいのよ。もう女を止めたから』と言う。服を脱いで風呂場に行く。
そこには少し年の行ったオバサンが2人風呂に入っていた。オジサンも2人いたので、きっと夫婦者だろうと思う。
私も会員のような顔をして、挨拶をする。
オバサンが風呂から上がったのを見計らって、私はTさんに聞いた。『若い女性は居ないの?』。
Tさんが答えた。『この辺りに若い女性は住んでいないなー』
女房とも一緒に風呂なんか入らないのに、見知らぬお婆さんと一緒に風呂に入ってしまった。
お互いに恥ずかしがらないようになってしまったのが寂しい。